平成28年度 横浜栄共済病院 病院指標

  1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞のICD10別患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 32 103 181 253 492 642 1548 3000 2385 563
【定義】
平成27年度中に当院を退院した患者さんの人数を、10歳刻みで年齢階級別に集計しています。
年齢は入院時点での年齢を使用し、複数回入退院を繰り返した方についても、1入院を1人として集計しています。

【特徴】
当院の入院患者さんは、70歳代の方が最も多く、次に80歳代の方が多くなっており、70歳以上の方が占める割合が全体の64.7%と、比較的ご高齢の方が多くなっています。
年齢別の主な疾患は、30歳代以下では急性扁桃炎、気胸、急性虫垂炎などであり、40歳代では乳がん、糖尿病、50歳代では、狭心症や大腸ポリープとなっています。
60歳代・70歳代の方では、狭心症や大腸ポリープに加え、がん(肺がん・前立腺がん・大腸がん・胃がん・膀胱がん)や、脳梗塞が多くなります。
80歳以上では脳梗塞に加え、肺炎、心不全、転倒等による大腿骨近位骨折や外傷性硬膜下血腫が多くなります。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050050xx99100x 狭心症 カテーテル検査(CAG等) 280 2.99 3.06 0.0% 73.07
050050xx02000x 狭心症 カテーテル治療(PCI等) 187 4.89 4.71 0.0% 72.65
050130xx99000x 心不全の治療 (手術なし) 118 18.81 17.95 5.1% 83.94
050050xx99200x 狭心症 カテーテル検査(CAG+血管内超音波検査) 89 3.19 3.22 0.0% 73.44
050210xx97000x 徐脈性不整脈 ペースメーカー移植術・交換術 51 11.61 11.38 0.0% 80.88
循環器内科で最も多い病気は、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)となっており、虚血性心疾患は心臓を栄養する血管が狭窄し、心筋に十分な血液が送れなくなる危険な病気です。
当科では、虚血性心疾患に対して血管内にカテーテルという細い菅を挿入し、狭窄の程度を検査(CAG)したり、治療(PCI)を行っています。
カテーテル治療は、開胸の必要がないため体への負担も少なく、入院期間も5日間程度と短く、ご高齢の方も受けられています。
心不全は、心臓の機能が何らかの原因により障害されたことが原因で様々な症状が現れます。薬を使って調整し症状を抑え、日常生活を送ることとなります。
徐脈性不整脈は、脈が遅くなる病気で、失神・息切れなどの症状がある場合、ペースメーカーという機械を体内に埋め込みます。局所麻酔下で行う手術で、入院期間は2週間程度となります。
消化器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060340xx03x00x 胆管結石等の胆道疾患 内視鏡的胆道ステント留置術等 61 8.95 11.06 1.6% 78.49
060335xx99x00x 胆嚢炎等の治療 (手術なし) 51 10.69 11.00 0.0% 74.61
060020xx04x0xx 胃がん 内視鏡的粘膜下層剥離術 44 6.59 9.02 0.0% 75.73
060210xx99000x 腸閉塞の治療(手術なし) 42 6.60 9.08 0.0% 72.71
060102xx99xxxx 大腸憩室出血等の治療(手術なし) 40 6.65 7.89 0.0% 69.08
消化器内科で最も多い症例は、総胆管結石、胆嚢結石、胆道狭窄等の胆道疾患です。総胆管の中に結石ができた場合、肝臓で作られた胆汁が十二指腸へと流れるのを止めることとなります。その結果、肝臓の障害や黄疸・胆管炎が見られることがあります。これを防ぐため、胆汁の流れが悪くなった部分に、短いチューブを内視鏡で挿入し、胆汁の流れを改善します。その他に、当科では早期胃癌に対する内視鏡的治療を行っています。また、当院は二次救急病院であるため、緊急入院となることが多い腸閉塞や大腸憩室出血等の症例も多くなっています。

内視鏡室(消化器内科)の統計によると、
2016年度のERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)は、201件ありました。
ERCPとは、内視鏡(カメラ)を使って、胆道(胆嚢や胆管)や膵管(膵臓の管)に造影剤を注入して、これらの管の状態をレントゲンで見る検査です。
さらに、ERCPの手法を応用して内視鏡的手術を行っており、上記件数のうち、以下のような治療を行っています。
ERBD : 42件(総胆管の狭窄部・閉塞部にチューブステントを留置する治療)
EMS  : 17件(          〃      金属ステントを   〃      )
EST  : 19件(胆管・膵管の出口を切開し、結石の除去や閉塞を軽減させる治療)
内分泌内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
100071xx99x110 2型糖尿病の教育入院 (インスリン治療)(慢性腎不全等あり) 77 12.97 16.40 0.0% 71.58
100071xx99x100 2型糖尿病の教育入院 (インスリン治療)(慢性腎不全等なし) 64 12.16 14.91 0.0% 64.81
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎の治療 50 20.10 21.25 22.0% 80.66
110310xx99xx0x 尿路感染症の治療 (手術なし) 43 13.53 12.43 7.0% 79.51
100071xx99x000 2型糖尿病の教育入院 (インスリン治療なし) 19 11.16 12.20 0.0% 71.21
内分泌内科では、糖尿病関連の入院が年間293件あり、そのうち2型糖尿病239件、1型糖尿病18件、そのほか、糖尿病の急性合併症であるケトアシドーシスに対する治療を行っています。
最も多い入院の目的は、糖尿病教育入院です。入院期間は通常2週間で、血糖コントロールを主な目的としていますが、糖尿病の合併症の検査にも重点を置いています。特に血管障害(虚血性心疾患、脳梗塞、閉塞性動脈硬化症等)を見逃すことがないよう、循環器内科、脳神経外科と連携しながら診療しています。
腎臓内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110280xx99000x 慢性腎不全の治療 47 10.47 12.84 2.1% 72.55
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎の治療 25 23.12 21.25 16.0% 86.00
110280xx99020x 慢性腎不全の治療(腹膜透析あり) 22 11.68 9.32 0.0% 67.18
110310xx99xx0x 尿路感染症の治療(手術なし) 21 10.14 12.43 0.0% 77.10
0400801499x002 細菌性肺炎等の治療(75歳以上) 19 11.47 15.29 0.0% 84.63
腎臓内科で最も多い症例は、慢性腎不全に対する治療となっています。
当科では、慢性腎不全に対する血液浄化療法や、ICUにおける急性血液浄化、維持透析中の患者さんの合併症による入院等に対応しています。
呼吸器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx99040x 肺がんの化学療法 47 10.06 12.35 0.0% 74.36
0400801499x003 細菌性肺炎等の治療(75歳以上) 26 19.85 17.43 15.4% 84.58
040110xxxxx0xx 間質性肺炎の治療 20 19.60 19.92 5.0% 79.10
040040xx9908xx 肺がんの化学療法(ベメトレキセドナトリウム水和物を含む) 16 14.56 12.01 0.0% 73.19
040081xx99x00x 誤嚥性肺炎の治療 15 25.33 21.25 40.0% 84.60
呼吸器内科で最も多い症例は肺がんです。呼吸器内科では進行した肺がんを扱うことが多く、主に化学療法による治療を行っています。
当科全体では、肺がんに対する入院は年間133件扱っています。
次に多い細菌性肺炎や間質性肺炎、誤嚥性肺炎は、ほとんどが緊急入院となり、平均年齢も高く、在院日数も長いのが特徴です。
救急科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160690xx99xx0x 胸椎骨折の治療(手術なし) 27 24.59 20.57 11.1% 74.93
160100xx97x00x 頭部外傷 創傷の縫合等の処置 24 4.29 9.87 0.0% 74.50
160100xx99x00x 頭部外傷 (処置等なし) 22 4.73 7.52 0.0% 66.91
161070xxxxx00x 薬物中毒の治療 16 2.63 3.64 0.0% 43.75
0400801499x003 細菌性肺炎等(75歳以上)の治療 16 16.44 17.43 12.5% 82.50
当院では、24時間体制で救急車や救急患者さんを受け入れており、年間5832件(H28年度実績)の救急車を受け入れています。
救急外来での診療は、基本的に救急科の医師が診察をした後、他の専門科の医師に引き継ぎます。
このため、救急科の医師が継続して入院診療を担当する症例は多くありませんが、継続して担当する例としては、上記の疾患が挙げられます。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060035xx01000x 大腸がんに対する切除術 55 17.49 15.92 5.5% 75.56
060335xx02000x 胆嚢炎に対する腹腔鏡下手術 52 7.90 7.61 0.0% 62.50
060210xx99000x 腸閉塞の治療 35 9.97 9.08 0.0% 72.86
060150xx03xxxx 虫垂炎 虫垂切除術 28 5.11 5.60 0.0% 40.00
060020xx02x0xx 胃がんに対する切除術 23 22.57 17.65 0.0% 74.13
消化器外科の入院患者さんの4割はがん(大腸がん・胃がん・食道がん等)の方です。
最も多い症例は大腸がんの切除ですが、食道がん・胃がん・大腸がんの早期がんの患者さんを中心に、体への負担の少ない腹腔鏡手術を積極的に行っています。
次に多い急性胆のう炎に対しても腹腔鏡下による手術を行っており、開腹の必要がないため体への負担も少なく、術後4日程度で退院できます。平均在院日数は7.9日となっていますが、これは、緊急入院で消化器内科で保存的治療を行った後、待機的に当科で手術を行う症例も含まれるため、在院日数が伸びています。
また、当院は二次救急病院であるため、緊急手術となることが多い腸閉塞や虫垂炎の手術も多く行っています。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx03x0xx 乳がんの部分切除(リンパ節の郭清を行わない場合) 39 5.49 6.59 0.0% 60.28
100020xx01x0xx 甲状腺がんの切除 22 5.14 9.27 0.0% 59.36
090010xx97x40x 乳房がんに対する抗がん剤治療の導入 18 4.78 8.17 0.0% 58.00
090010xx01x0xx 乳がんの部分切除(リンパ節の郭清を行う場合) 17 9.82 11.57 0.0% 61.00
100130xx97x0xx 甲状腺腺腫の切除 16 5.00 8.00 0.0% 58.19
乳腺外科では乳がんを中心に甲状腺等の手術を行っています。
乳がんについては、術前診断をもとに、個々の患者さんにふさわしい手術の切除範囲を検討しています。また、手術に際しては形成外科医と連携し、切除と同時に乳房再建も行っています。
脳神経外科・神経内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
010060x2990401 脳梗塞に対するエダラボン点滴投与による治療 77 15.53 16.54 28.6% 72.25
160100xx97x00x 外傷性慢性硬膜下血腫に対する手術 71 9.03 9.87 4.2% 79.63
010040x099x00x 脳出血に対する保存的治療 57 17.89 19.35 50.9% 69.12
010030xx9910xx 未破裂脳動脈瘤に対する検査(血管造影撮影) 43 2.72 3.20 0.0% 62.77
160100xx99x00x 外傷性慢性硬膜下血腫に対する治療(手術なし) 36 10.94 7.52 8.3% 70.69
脳神経外科・神経内科で最も多い症例は脳梗塞です。
脳梗塞は、脳に酸素と栄養を運ぶ動脈が詰まり、脳への血液供給が途絶えてしまうことにより、意識障害や運動麻痺などが起こる病気です。脳梗塞は発症の原因によって3タイプに分けられ、タイプにより重症度が変わってきます。在院日数も9日程度の入院が最も多くなっていますが、人それぞれです。このため、急性期の治療を終えたあとに、リハビリテーションを専門病院で行うために転院する方も多く、転院率も高くなっています。
2番目と5番目に上がっている外傷性慢性硬膜下血腫は、頭部に怪我をした1~2ヶ月後に症状が起こる病気で、脳と硬膜のあいだに血が貯まり(血腫)、それにより脳を圧迫して様々な症状が見られます。
高齢者に多く、多くは症状が出現した時点で受診となり、手術が必要になります。
3番目に多い脳出血は意識障害や麻痺などによって短時間のうちに発症し、救急車で来院される方がほとんどです。
出血の原因の8割が高血圧と言われており、この高血圧性脳出血の治療は内科治療を行うことが、診療ガイドライン上の原則となっています。ただし、出血量が多い場合は、救命のため手術が行われることもあります。急性期治療後は、リハビリテーションのための転院をする人が半数以上となっています。
呼吸器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
040040xx97x0xx 肺がんに対する手術 76 11.78 12.73 3.9% 73.51
040200xx01x00x 気胸に対する手術 34 8.00 10.09 0.0% 33.47
040150xx97x00x 膿胸に対する手術 25 25.60 31.34 16.0% 71.28
040200xx99x00x 気胸に対する治療(手術なし) 14 9.00 9.14 0.0% 54.64
040030xx01xxxx 肺腫瘍に対する手術 10.28
呼吸器外科では、早期の肺がんや自然気胸などに対して、患者さんの痛み・負担をできるだけ軽減するため、胸腔鏡を用いた低侵襲な手術を積極的に行っています。
最も多い症例である肺がんに対する手術では、平均在院日数は11日を超えていますが、ほとんどの患者さんは7~9日間程度の入院となっています。
次に多いの気胸に対する手術も胸腔鏡手術を主体として行っています。自然気胸は若い男性に多い疾患ですので、平均年齢も他の疾患と比較すると低くなっています。
心臓血管外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
050180xx97xxxx 下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療 61 2.30 3.34 0.0% 74.31
050130xx99000x 心不全に対する治療 50 15.14 17.95 0.0% 75.06
050080xx01010x 弁膜症に対する弁置換術 17 23.53 24.70 0.0% 75.00
050210xx97000x 徐脈性不整脈 ペースメーカー移植術・交換術 15 8.20 11.38 0.0% 71.53
050161xx9901xx 解離性大動脈瘤の治療 (手術なし) 14 19.64 23.16 0.0% 69.71
心臓血管外科で行われた診療について患者数の多い順で見ると、①下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療、②心不全に対する治療、③心臓弁膜症に対する弁置換術、④徐脈性不整脈に対するペースメーカー植込み術または置換術、そして、⑤解離性大動脈瘤に対する治療となっています。

①下肢静脈瘤に対する治療としては、長年、ストリッピング手術という弁不全を起こしている静脈を引き抜く方法が行われていました。近年普及してきた血管内レーザー治療は弁不全を起こしている静脈の中に、レーザーファイバーを入れ、静脈の内側を熱で焼き、閉塞させる治療法です。ストリッピング手術に比べ、より負担の少ない治療法ですので、当院においてもこの方法をメインとしています。
②心不全については、あらゆる心臓病の終末像にあたり、入退院を繰り返す頻度が高くなるため、患者数が多くなっています。
③心臓には血液の逆流を防ぐための4つの弁があり、それぞれ非常に大切な働きをしています。この心臓弁が正常に機能しなくなった状態を弁膜症といいます。当科では、弁を切除し人工弁を埋め込む手術(弁置換術)、自己弁を温存し、弁の形を整える手術(弁形成術)を行っています。

また、当院では、胸部や腹部の大動脈瘤に対する入院治療も行っており、治療方法は内科的・外科的とさまざまですが、平成28年度は非破裂性大動脈瘤39件、解離性大動脈瘤29件、破裂性大動脈瘤3件の取り扱いがありました。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
160800xx01xxxx 大腿近位部骨折に対する手術 104 26.61 27.63 51.0% 83.30
160760xx97xx0x 前腕骨折に対する手術 31 3.45 5.49 0.0% 60.71
160850xx97xx0x 足関節の骨折に対する手術 28 15.18 9.86 0.0% 57.25
070230xx01xxxx 膝関節症に対する人工関節置換術等 23 24.30 26.26 17.4% 74.04
070160xx01xxxx 手根管症候群に対する手術 15 2.87 5.69 0.0% 63.33
整形外科の症例は、外傷関連が約7割以上を占めています。
高齢になって骨粗鬆症になると、若いときと比べ骨が脆弱になります。高齢者が転倒などの比較的軽い外力で受傷する骨折を「脆弱性骨折」と呼びます。
その代表的な症例が、大腿骨近位部骨折(脚の付け根の骨折)で、当科においても最も多い症例となっています。
治療の目的は、患者さんがもう一度歩けるようになり、寝たきりにならないようにすることですが、リハビリテーションに長い期間を要するため、リハビリテーションは転院し専門病院で行うため、転院率が高くなっています。
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx0200xx 膀胱がんの経尿道的手術 80 10.09 7.44 0.0% 74.30
110070xx99x20x 膀胱がんに対する抗がん剤治療 19 17.84 11.72 0.0% 66.47
110200xx02xxxx 前立腺肥大症等 経尿道的前立腺手術 15 9.27 9.98 0.0% 76.13
110060xx99x20x 腎盂・尿管がんに対する化学療法 14 15.14 11.71 0.0% 69.00
110080xx01x0xx 前立腺がんに対する手術 12 14.92 13.39 0.0% 69.58
泌尿器科で最も多い症例は、前立腺針生検で年間150例程度ありますが、「短期滞在手術基本料」の対象であるため、今回は集計の対象外となっています。
当科では、尿路上皮がんに対する化学療法も積極的施行しています。若干入院期間は長めになっていますが、これは安全第一を最優先させているためです。
耳鼻咽喉科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030428xxxxxxxx 突発性難聴に対する治療 99 9.92 9.37 1.0% 62.73
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎に対する内視鏡下鼻・副鼻腔手術 78 6.82 7.47 0.0% 56.81
030400xx99xxxx 前庭機能障害(めまい)に対する治療 71 4.93 5.24 0.0% 70.48
030240xx99xxxx 急性扁桃炎とうに対する治療 (手術なし) 40 5.90 5.50 0.0% 40.95
030440xx01xxxx 慢性中耳炎に対する鼓室形成手術等 36 10.22 9.36 0.0% 41.17
耳鼻咽喉科で最も多い症例は突発性難聴で、治療方法は副腎皮質ホルモン剤等の点滴が主になります。特に発症後1週間以内に治療を開始することが重要で、緊急入院となることも少なからずあります。
次に多いのが、慢性副鼻腔炎に対する手術で、内視鏡を用いた治療を行っており、顔の皮膚を切らずに内視鏡を用いて鼻の中から手術ができ、負担が少なくなっています。
また、慢性中耳炎・真珠腫性中耳炎に対する手術を行っており、平成28年度は、鼓室形成術36件、鼓膜形成術34件を行っています。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020230xx97x0xx 眼瞼下垂に対する手術 42 3.05 3.44 0.0% 73.67
090010xx05xxxx 乳がん手術後の乳房再建 7.91
070010xx970xxx 骨軟部の良性腫瘍に対する手術 5.11
160200xx0200xx 顔面損傷 頬骨骨折等に対する手術 5.80
080006xx01x0xx 皮膚がんに対する手術 8.78
形成外科で最も多い症例は、眼瞼下垂に対する手術です。まぶたが下がり眼を覆うようになり、ものが見えにくくなる症状を眼瞼下垂といいます。近年の高齢化社会に伴い、目を開ける筋力の低下による老人性眼瞼下垂が増えてきています。
次に多いのが、乳がんで乳房切除患者さんに、後日、乳房再建を行った症例となっています。当院では乳がんの手術では基本的に、乳腺外科と形成外科の医師が、同じ手術室に入り、がんの切除と同時に再建を行っています。この場合、今回の集計では集計対象外となり、症例数が見かけ上、少なくなっています。この方法は、心理面・費用面においても、優れています。
皮膚科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
080020xxxxxxxx 帯状疱疹に対する抗ウイルス薬治療 68 8.12 8.96 0.0% 70.87
080011xx99xxxx 蜂窩織炎に対する抗菌薬治療 43 10.77 11.97 0.0% 67.88
080100xxxx0xxx 薬疹に対する治療 11.28
080090xxxxxxxx 紅斑症 10.37
080011xx970xxx 蜂窩織炎に対する手術 18.22
皮膚科では、帯状疱疹や蜂窩織炎などの皮膚感染症が8割程度を占めるため、入院症例の9割以上が緊急入院となっています。
最も多い症例は帯状疱疹で、水痘・帯状疱疹ウイルスによって起こる疾患で、ぴりぴりと指すような痛みと小さな水ぶくれが帯状に現れます。
過去に水ぼうそうにかかった人は誰でもなる可能性があり、体内の神経節に潜んでいたウイルスが、加齢やストレス・過労などが引き金となって免疫力が低下すると発症します。
病変が広範囲である場合、激烈な疼痛や帯状疱疹の合併症がある場合、入院し抗ヘルペスウイルス薬の点滴を行います。入院期間は8日となっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120180xx99xxxx 遷延妊娠に対して行われた分娩誘発 11 7.73 6.86 0.0% 31.09
120260xx01xxxx 緊急帝王切開による分娩 9.77
120170xx99x0xx 切迫早産に対する治療 20.79
120165xx99xxxx 重症妊娠悪阻等に対する治療 12.29
120140xxxxxxxx 流産 2.43
当院では、2016年6月から産科(分娩の取り扱い)を再開しました。
医療行為を必要としない自然分娩が最も多いですが、自費診療になるため今回の集計では集計対象外となります。
産婦人科で扱う保険診療の中で最も多い症例は、分娩の経過が長引きたため、陣痛促進剤を使用し、出産した症例です。
次に多いのが、緊急で帝王切開を行い出産した症例となっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 65 18 16 30 10 15 1 7
大腸癌 54 46 66 37 21 11 1 7
乳癌 74 31 12 1 7
肺癌 44 13 10 111 20 28 1 7
肝癌 1 7
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
【定義】
5大がん(胃がん、大腸がん、乳がん、肺がん、肝がん)について、集計期間に入院治療を行った患者さんの数を、UICC病期分類別に集計しています。
※患者数は、一連の入院を1カウントして集計しています。同じ患者さんが2回入院した場合、2カウントとなります。

UICC病期分類とは、どの程度がんが進行しているかを表し、Stage0からStageⅣまであり、StageⅣが最も進行していることを表します。
ステージとは、➀原発巣の大きさと進展度、②所属リンパ節への転移状況、③遠隔転移の有無の3カテゴリの組み合わせによって決まり、UICC病期分類国際対がん連合により定められた世界各国で使用されている分類です。

10症例未満の場合、-(ハイフン)で表示しています。

【特徴】
胃がん、大腸がんにおいては、早期のがんに対して内視鏡的治療(粘膜下層剥離術等)を積極的に行っているため、StageⅠが多くなっています。
大腸がんにおいて最も多いStageⅢに対しては、結腸切除術等の外科的治療を行っています。

肺がんではStageⅣが最も多くなっております。StageⅣの治療は抗がん剤治療がメインとなることが多く、入院して抗がん剤治療を行う際に、1人の方が入退院を繰り返すため、患者数が多くなっています。

当院では、2016年10月から放射線治療機器(リニアック)を導入し、がんの3大療法である「手術治療・放射線治療・薬物療法」が、当院で完結して行えるようになりました。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症 23 6.78 44.30
中等症 170 15.26 79.46
重症 63 16.75 82.49
超重症 176 22.95 83.50
不明 0
【定義】
「市中肺炎」とは、普段の社会生活の中でかかる肺炎のことで、病院等の医療機関に入院中に発症する「院内肺炎」や、介護施設等に入所中の方が発症する「医療・介護関連肺炎」と、区別されます。

さらに、成人市中肺炎診療ガイドライン(日本呼吸器学会)の重症度分類(A-DROPスコア)に基づき、当院で取り扱った市中肺炎※について、集計しました。

※細菌等による肺炎を集計対象としており、インフルエンザウイルスなどのウイルスによる肺炎、食べ物の誤嚥による肺炎は集計対象外です。

【特徴】
診療ガイドラインでは、軽症の患者さんは外来治療が原則ですが、入院となる場合が少なからずあります。
当院では、超重症が最も多くなっていますが、平均年齢を見ると高齢者の方ほど重症化しやすいことがうかがえます。さらに、重症度が上がるごとに、治療期間が長期化することがうかがえます。
脳梗塞のICD10別患者数等ファイルをダウンロード
ICD10 傷病名 発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
G45$ 一過性脳虚血発作及び関連症候群 -
G46$ 脳血管疾患における脳の血管(性)症候群 -
I63$ 脳梗塞 3日以内 283 21.32 76.25 35.7%
その他 18 23.56 72.67 33.3%
I65$ 脳実質外動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの 3日以内
その他 12 4.83 72.42 0.0%
I66$ 脳動脈の閉塞及び狭窄,脳梗塞に至らなかったもの -
I675 もやもや病<ウイリス動脈輪閉塞症> -
I679 脳血管疾患,詳細不明 -
【定義】
入院中に医療資源を最も投入した傷病名について、ICD10コードのごとに集計しています。

※ICD10コードとは
International Classification of Diseases and Related Health Problems(疾病および関連保険問題の国際統計分類)の略称で、世界保健機関(WHO)が世界保健機関憲章に基づき作成した、傷病に関する分類です。
世界各国における傷病の状況を比較することを目的とした標準的分類コードで、日本においても使用されています。

10症例未満の場合、-(ハイフン)で表示しています。

【特徴】
発症3日以内の急性期脳梗塞(I63$)の患者さんが、脳梗塞全体のうち約85%を占めています。

脳梗塞(I63$)の治療は、脳梗塞の種類によってことなります。発症したらできるだけ早期に適切な検査で脳梗塞の原因を調べて、そのタイプに応じた治療を行う必要があります。

発症数時間以内の"超"急性期の場合の治療は、
●t-PA静注療法
●急性期脳血管内治療(血栓回収療法・血管拡張術・ステント留置術)
を行います。

当院では、このような緊急性のある疾患に迅速に対応できるよう、24時間365日患者さんを受け入れる体制を敷いています。

脳梗塞は、治療期間が長期になることがあり、その場合には、当院で急性期治療を終了した後、連携している回復期病院(リハビリ専門病院)等に転院することもあるため、転院率が高くなっています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術(その他のもの) 153 1.9 2.5 0.0% 73.1
K616 四肢の血管拡張術・血栓除去術 51 1.6 3.6 3.9% 73.8
K5972 ペースメーカー移植術(経静脈電極) 42 3.6 10.9 2.4% 79.9
K5491 経皮的冠動脈ステント留置術(急性心筋梗塞に対するもの) 32 0.0 17.3 3.1% 67.0
K5463 経皮的冠動脈形成術(その他のもの) 30 3.7 4.4 0.0% 74.1
当院では、虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)に対するカテーテル治療を、年間300件程度実施しています。
血管内にカテーテルという細い管を挿入し、心臓を栄養する冠動脈の狭窄部位を削ったり、拡張したりする手術を指し、1番目、4番目、5番目の手術が該当します。入院期間は4日間程度となっています。
K616四肢の血管拡張術・血栓除去術は、下肢閉塞性動脈硬化症(下肢の動脈が狭窄、閉塞し、歩くと脚が痛くなったり、進行すると脚が壊死したりする病気)に対するカテーテル治療です。
K5972ペースメーカー移植術は、脈が遅くなる病気(徐脈性不整脈)に対する治療で、手術は2~3時間で10日ほどの入院が必要となります。
消化器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的結腸ポリープ・粘膜切除術(長径2センチメートル未満) 227 0.2 1.2 0.0% 68.7
K688 内視鏡的胆道ステント留置術 62 3.8 12.1 8.1% 77.5
K6532 内視鏡的胃、十二指腸ポリープ・粘膜切除術(早期悪性腫瘍粘膜下層剥離術) 44 0.2 5.4 0.0% 75.7
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術(長径2cm以上) 35 0.1 1.1 0.0% 67.9
K654 内視鏡的消化管止血術 32 0.7 8.5 6.3% 71.6
消化器内科で最も多い手術は、大腸ポリープを内視鏡で見ながら切除するポリペクトミーです。ポリペクトミーとは良性腫瘍を含めた隆起性病変を切除・治療する方法です。腫瘍は通常、茎や起始部の径が10~15ミリ以内の小さなものです。
2番目に多い手術は、総胆管結石等の胆道疾患に対する手術です。胆汁の流れをよくするため、口から内視鏡を入れて食道・胃を通り、十二指腸まで進め、胆管に細いチューブを挿入し、胆管等の狭窄部分にチューブ(ステント)を設置します。内視鏡を使うので、皮膚に傷も残らず、体に負担の少ない治療です。
3番目に多い手術は、胃がんに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)です。早期がんに対し内視鏡で病変を切除するという治療方法です。近年、さまざまなナイフで粘膜を薄くはいでいく技術が研究され、体の負担が少なく、大きな病変でも一括で切除することが可能となりました。
5番目に多い手術は、胃潰瘍等による出血に対して行う治療となります。

内視鏡室(消化器内科)の統計によると、
2016年度のERCP(内視鏡的逆行性胆道膵管造影)は、201件ありました。
ERCPとは、内視鏡(カメラ)を使って、胆道(胆嚢や胆管)や膵管(膵臓の管)に造影剤を注入して、これらの管の状態をレントゲンで見る検査です。
さらに、ERCPの手法を応用して内視鏡的手術を行っており、上記件数のうち、以下のような治療を行っています。
ERBD : 42件(総胆管の狭窄部・閉塞部にチューブステントを留置する治療)
EMS  : 17件(          〃      金属ステントを   〃      )
EST  : 19件(胆管・膵管の出口を切開し、結石の除去や閉塞を軽減させる治療)
腎臓内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K610-3 内シャント設置術 38 10.1 15.7 7.9% 70.8
K635-3 連続携行式腹膜灌流用カテーテル腹腔内留置術 12 4.5 22.2 0.0% 64.3
K616-4 経皮的シャント拡張術・血栓除去術
K664 胃瘻造設術
K654 内視鏡的消化管止血術
腎臓内科で最も多い手術は、透析用のシャント設置術です。透析では1分間に約200mlもの大量の血液を体から取り出さなくてはなりません。通常の点滴や採血を行う静脈からは、大量の血液を取り出し続けることは難しいため、動脈と静脈を直接つなぎ、透析専用の血管を作る手術(内シャント設置術)を行います。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K6335 ヘルニア手術(鼠径ヘルニア) 98 1.4 2.4 1.0% 70.9
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 73 2.6 5.5 0.0% 64.3
K7193 結腸切除術(全切除、亜全切除又は悪性腫瘍手術) 52 3.1 18.0 9.6% 76.6
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 29 3.5 12.5 0.0% 72.9
K7181 虫垂切除術(虫垂周囲膿瘍を伴わないもの) 29 0.3 4.7 3.4% 41.8
消化器外科で最も多い手術は鼠径ヘルニアに対する手術、2番目に多い手術は胆嚢結石・胆のう炎に対する手術となっています。これらは、全国的にも件数の多い手術・疾患となっており、当院は横浜市栄区唯一の急性期病院として、地域のニーズに対応しています。
当科の2016年度の手術件数は698件で、そのうち悪性腫瘍の手術が約3割を占めています。大腸がん手術は120件、胃がん手術56件行っています。
3番目と4番目(腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術)に多い手術が大腸がんに対して行う手術となっており、早期がんに対しては、患者さんにとって負担の少ない腹腔鏡手術を行っています。
虫垂切除術は、急性虫垂炎に対する治療で、緊急手術となることがほとんどとなり、術前日数が短くなっています。二次救急病院として当科においても、24時間365日、手術に対応できる体制をとっています。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術(乳房部分切除(腋窩部郭清を伴わない)) 40 1.0 3.6 0.0% 60.0
K4611 甲状腺部分切除術、甲状腺腫摘出術(片葉のみ) 16 1.2 2.9 0.0% 58.6
K4631 甲状腺悪性腫瘍手術(切除) 15 1.1 2.9 0.0% 59.3
K4765 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術・胸筋切除を併施しない) 12 1.1 8.1 0.0% 59.3
K4763 乳腺悪性腫瘍手術(乳房切除術(腋窩部郭清を伴わないもの)) 11 1.0 9.3 0.0% 67.1
乳腺外科では乳がんおよび甲状腺疾患(甲状腺がん・腺腫、副甲状腺腫瘍等)を取り扱っています。
上記の表の実績では、診療報酬上の手術分類ごとに分かれていますが、全体で見ると、乳がんに対する手術を年間75件取り扱っており、そのうち47件が乳房温存術となっています。乳房温存術は、痛みや腕の浮腫等の手術後の後遺症も少なく、美容上も優れています。
また、乳房の切除を行った際に、同時に乳房再建を年間7件程度行っています。
脳神経外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K164-2 慢性硬膜下血腫穿孔洗浄術 72 0.7 7.7 5.6% 79.5
K178-4 経皮的脳血栓回収術 18 1.4 34.8 66.7% 75.2
K1742 水頭症手術(シャント手術) 17 1.4 11.5 11.8% 77.1
K160-2 頭蓋内微小血管減圧術 15 1.1 10.0 0.0% 59.5
K1642 頭蓋内血腫除去術(開頭して行うもの)(硬膜下のもの) 13 0.3 33.4 53.8% 80.9
脳神経外科で最も多い手術は、外傷性慢性硬膜下血腫に対する治療です。
高齢者に多い病気で、頭を軽くぶつけたあと、しばらくたってから脳の表面に血液が貯まる病気です。治療法は手術が基本となり、頭蓋骨に小さな穴を開け、貯まった血液を洗い流します。
2番目に多い手術は、脳梗塞に対する手術です。
脳梗塞の中でも発症から概ね8時間以内で、症状が重度でない場合は、脳血管に詰まった血栓を除去する「脳血管内治療」を行うことができます。
脳血管内治療とは、カテーテルという細い管を脚の付け根の血管から挿入して、頭の中の血管へ進めて治療を行います。その中でも「脳血栓回収術」は、カテーテルを真空で吸引し血栓を取り除いたり、先端がらせん状になった柔らかいワイヤーを用いて、血栓を絡めて取ってくる治療方法です。
3番目に多い手術は、水頭症に対する治療です。水頭症は、脳の中に脳脊髄液が貯まって脳を圧迫する病気です。シャント手術は貯まった脳脊髄液を、体内の他の場所に流れるようにチューブを設置する手術です。
4番目に多い手術は顔面けいれんや三叉神経痛に対して、脳神経を圧迫している血管の位置をずらし、症状を取り除く手術です。
5番目に多い手術は外傷性急性硬膜下血腫に対して行われた手術となっています。
呼吸器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K514-23 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(肺葉切除) 45 3.8 10.4 6.7% 76.0
K5131 胸腔鏡下肺切除術(肺嚢胞手術) 39 3.1 6.2 2.6% 35.8
K514-21 胸腔鏡下肺悪性腫瘍手術(部分切除) 20 1.2 6.4 0.0% 69.8
K488-4 胸腔鏡下試験切除術 20 2.3 7.6 0.0% 76.0
K496-2 胸腔鏡下醸膿胸膜又は胸膜胼胝切除術 18 8.9 22.1 33.3% 67.6
呼吸器外科では肺がんに対する手術を多く取り扱っており、胸腔鏡を使用した低侵襲な手術に取り組んでいます。手術に際しては、患者さんの状態に応じて最良の術式を選定しています。最も多い手術と3番目に多い手術が、肺がんに対する手術で、切除範囲により手術コードが分かれています。
2番目に多い手術は、気胸(肺の一部が破れ、漏れた空気で肺が圧迫される病気)に対する手術となっています。
心臓血管外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K617-4 下肢静脈瘤血管内焼灼術 57 0.0 1.0 0.0% 74.5
K5551 弁置換術(1弁) 14 6.6 27.6 7.1% 78.6
K597-2 ペースメーカー交換術 11 1.0 7.5 0.0% 74.1
K552-22 冠動脈、大動脈バイパス移植術(人工心肺を使用しない)(2吻合以上)
K5612 ステントグラフト内挿術(腹部大動脈)
心臓血管外科で最も多い手術は、下肢静脈瘤に対する血管内レーザー治療(弁不全を起こしている静脈の内側を熱で焼き閉塞させる方法)です。
当科の2016年度の手術件数は214件で、そのうち多い順から、下肢静脈瘤に対する手術が約4割、大動脈瘤に対する手術が約2割、弁膜症に対する手術が約1割を占めています。
大動脈瘤とは、心臓から出された血液を全身に運ぶための一番太いパイプである「大動脈」がこぶ状に膨らんだ状態をいいます。瘤のできている範囲の大動脈を切除し、人工血管に置き換える外科的手術や、より低侵襲な手術であるステントグラフト内挿術を行っています。大動脈瘤に対する手術は、部位や方法により手術コードが細かく分かれてしまうため、トップ5には4番目のステントグラフト内挿術が入る程度となっています。
弁膜症に対しては、正常に機能しなくなった弁を切除し人工弁を埋め込む手術(弁置換術)や、自己弁を温存し形を整える手術を行っています。
大動脈瘤や弁膜症の手術で人工心肺を使用する場合、術後の在院日数が比較的長くなっています。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0461 大腿骨近位骨折の手術(骨接合) 83 2.4 21.5 44.6% 82.5
K0462 下腿の手術(骨接合) 61 2.0 7.8 1.6% 62.8
K0811 大腿骨近位骨折の手術(人工骨頭挿入術) 38 4.0 21.4 50.0% 82.2
K0821 人工関節置換術(膝) 31 1.7 21.5 12.9% 74.0
K0463 骨折観血的手術(鎖骨) 17 3.8 10.1 5.9% 58.1
整形外科で最も多い手術は、大腿骨近位骨折(脚の付け根の骨折)に対する手術です。
大腿骨近位骨折は、高齢者が転倒などの比較的軽い外力で受傷する骨折を「脆弱性骨折」の代表的なものです。
大腿骨「近位」骨折の中でも、大腿骨「頚部」骨折に対しては、骨接合術と人工骨頭置換術という2つの手術方法のいずれかを選択します。これらが、当科で最も多い手術と、3番目に多い手術となります。
手術後は、リハビリテーションを行うため専門施設に転院することが多く、転院率が高くなっています。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036ロ 膀胱悪性腫瘍手術(経尿道的手術)(その他のもの) 82 2.5 6.7 0.0% 74.3
K768 体外衝撃波腎・尿管結石破砕術 35 0.3 1.1 0.0% 60.5
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 26 2.0 10.7 3.8% 75.5
K8412 経尿道的前立腺手術(その他) 15 1.4 6.9 0.0% 76.1
K773-2 腹腔鏡下腎(尿管)悪性腫瘍手術 12 1.9 13.3 0.0% 72.3
泌尿器科で最も多い手術症例は、膀胱がんに対する経尿道的手術です。
手術コード(Kコード)では尿路結石に対する体外衝撃波の治療が2番目に多くなっていますが、当院ではレーザーによる内視鏡的砕石術も導入しており、こちらも症例的には増えてきています。
腎がん・腎盂尿管がん・前立腺がんに対する手術は、より患者さんに負担の少ない腹腔鏡下での手術がメインになっています。
耳鼻咽喉科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-5 内視鏡下鼻・副鼻腔手術3型(選択的(複数洞)副鼻腔手術) 57 1.0 4.8 0.0% 58.9
K319 鼓室形成手術 39 1.0 8.2 0.0% 42.3
K318 鼓膜形成手術 35 1.0 1.0 0.0% 51.1
K3772 口蓋扁桃手術(摘出) 31 1.0 6.7 0.0% 27.1
K347 鼻中隔矯正術 28 1.0 4.7 0.0% 39.5
耳鼻咽喉科の2016年度の入院手術件数は308件で、「耳」に関する手術が約4割、「鼻・副鼻腔」に関する手術が約3割、「咽頭・喉頭」等に対する手術が約3割を占めています。
最も多い手術は、慢性副鼻腔炎に対する手術で、内視鏡とナビゲーションシステムを用いた治療を患者さんの体への負担が少なく、多くの方は6日間程度の入院となっています。
2番目と3番目に多い手術は、主に中耳炎に対して行われる手術で、難聴の改善を目的としています。
4番目に多い手術は、慢性扁桃炎の根治治療を目的として行われる手術となります。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2191 眼瞼下垂症手術(眼瞼挙筋前転法) 24 0.0 2.0 0.0% 74.0
K2193 眼瞼下垂症手術(その他) 18 0.0 2.1 0.0% 73.2
K476-4 ゲル充填人工乳房を用いた乳房再建術(乳房切除後)
K0072 皮膚悪性腫瘍切除術(単純切除)
K0021 デブリードマン(100cm2未満)
形成外科で1番多い手術と2番目に多い手術は、眼瞼下垂に対する治療となっています。
3番目に多いのが、乳がんで乳房切除患者さんに、後日、乳房再建を行った症例となっています。当院では乳がんの手術では基本的に、乳腺外科と形成外科の医師が、同じ手術室に入り、がんの切除と同時に再建を行っています。この場合、今回の集計では集計対象外となり、症例数が見かけ上、少なくなっています。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術(眼内レンズを挿入する場合)(その他) 75 0.0 1.0 0.0% 78.1
眼科で最も多い手術は、白内障に対する手術です。白内障の多くは加齢に伴って発症し、一度なると薬等によって元の状態に戻すことができません。このため、白内障の治療は、眼の濁ってしまったレンズ(水晶体)を取り出し、新たに眼内レンズを挿入する方法が一般的となっています。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一
異なる 29 0.32%
180010 敗血症 同一 21 0.23%
異なる 49 0.53%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる
180040 手術・処置等の合併症 同一 70 0.76%
異なる 20 0.22%
【定義】
播種性血管内凝固症候群、敗血症、真菌感染症、手術・術後の合併症について、患者数および全患者に対する割合を発生率として、集計しました。
これらの疾患は、臨床上ゼロにはなりえないものの、発生率が少ないほど「良い」とされます。

入院契機と「同一」の場合、入院当初から重症な病態であったことを表し、
入院契機と「異なる」場合、入院後に病状が進み、さらに重症な状態になった可能性があります。

10症例未満の場合、-(ハイフン)で表示しています。

【特徴】
手術・処置等の合併症が多いように見えますが、この中には、以前治療のために体の中に挿入した器具を、数ヶ月から何年か後に交換した場合を含むためです。

たとえば、
●人工透析のためにシャント(血管の出入り口)を作成した後、一定期間使用したため、シャントが閉塞し再作成した場合(=透析シャント閉塞)
●心筋梗塞の治療後、1年後に検査をした際に、治療後の冠動脈が再狭窄しており、再び治療を行った場合(=冠動脈ステント留置後再狭窄)

当院では、手術や処置を行い際に、細心の注意を払っております。
術後合併症は一定の確率で起こり得ますが、事前に患者さん・ご家族に可能な限り説明をし、手術や処置の実施に同意をいただくよう努めています。
更新履歴
2017/9
平成28年度実績を公開