当院で行っている転移のない前立腺癌のIMRTについて

放射線・検査

放射線治療科部長 阿部 達之

目的は癌の根治(完全に治す)です。

照射プランの設計図を作成するために放射線治療科でCTを撮影します。

CT撮影約1週後より照射を開始します。

照射装置はリニアックと呼ばれる外部照射装置で、当科ではELEKTA製Synergyを使用しています。

imrt_20241219.png

患者さんは、リニアックの寝台に寝ていただき、身体の周りを機械が回りながら前立腺にX線を照射します。痛くも熱くもありません。平日(土日祝日以外)は毎日通院していただき、1日1回、20回照射します。治療室に入ってから出てくるまで約15分です。
前立腺の位置や形は、膀胱内の尿量や直腸内の便やおならの量によって変わる可能性があります。そこで照射前に前処置を行って頂きます。 前処置とは 精密な治療を行うため、照射時の条件を同じにします。具体的には、直腸におならや便がたまっていれば出していただきます。膀胱が照射範囲に近づかないように膀胱に尿をためます。
①坐薬を入れておならや便を出す。
坐薬を入れるタイミングは看護師が説明します。
②水やお茶を350ccほど飲んで頂きます。
一般的には坐薬を入れる頃から飲み始めますが、個人差もあるため調整致します。 前処置は治療計画時と毎回の治療前に行います。
坐薬は放射線治療医から処方されますので、照射時に持参してください。


副作用

放射線治療の副作用には、急性(治療開始して2〜3週後に起こる)と遅発性(治療終了して1年から数年後に起こる)があります。

尿路系

急性の副作用としては、頻尿、残尿感、尿勢の低下があります。もともと頻尿がある方は、尿を出しやすくする薬を併用することがあります。これらの急性の副作用は、治療終了数週で元に戻ります。

遅発性の副作用としては、治療終了1年程後に35%の方に肉眼的血尿があります。

消化器系

急性の副作用はあまりないと考えていますが、もともと痔のある方は前処置の座薬を毎日入れる刺激で肛門痛がでるかもしれません。座薬を入れる時に薬の先を濡らしたり、ゼリーを塗ったりすることで軽減できます。

遅発性の副作用としては、治療終了1年程後に35%の方に血便があります。

下にIMRTの線量分布を提示します。放射線治療の設計図です。直腸の高線量部位の減らしながら、前立腺には線量が集中しています。

imrt2.20241219.png

page
top