倫理方針のご案内

臨床倫理に関すること

当院では、治験倫理委員会及びその下部組織である倫理小委員会において、医療倫理の保持に関する事項について審議を行っています。
なかでも、臨床倫理の指針について、下記の通りとなっています。

宗教的理由による輸血拒否に関する基本的な考え方

  • 当院では、患者さんの自己決定権を尊重する立場から、宗教的理由により輸血拒否される患者さんには、医療上可能な限り無輸血での治療を行うよう努力します。
  • 医療行為における輸血療法の必要性は患者さん一人一人により異なります。輸血を行わない場合のリスク、代替療法の有無などを、治療担当医とご相談ください。
  • 治療担当医が無輸血での治療が困難と判断した場合は、他の治療法への変更、あるいは転院をお願いさせていただくことがあります。
  • 輸血の意思が明確でない場合、輸血の意思を確認する時間的余裕がない場合、15歳未満の患者さんの場合は、できる限り無輸血の治療を行いますが、救命のためなど医療上必要不可欠と判断した場合には、輸血を行います。(相対的無輸血の方針)

臓器提供について

当院は心臓停止下により提供できる臓器について、提供したい方やその家族の意思を尊重し、臓器提供を希望している方へ提供することができるよう、日本臓器移植ネットワークと連携し、円滑な臓器提供ができるように進めます。
・心臓停止下により提供できる臓器 (腎臓 膵臓 眼球)
・脳死下により提供できる臓器 (心臓 肺 肝臓 腎臓 膵臓 小腸 眼球など)

※当院は脳死下による臓器提供施設ではありません。心臓、肺、肝臓、小腸については臓器を提供することができません。臓器移植の目的により提供施設に転院することは認められていません。


人生の最終段階(終末期)医療について

人生の最終段階における医療・ケアの実現のためには、まず本人の意思が重要であり、患者本人の意思決定を基本とし、医療チームが丁寧に意思を汲み取り共有することが重要です。そのために、自らが希望する医療・ケアを受けるために前もって考え、周囲の信頼できる人達と話し合いを共有すること(アドバンス・ケア・プランニング;ACP)が大切です。

ACPの推進に向け、当院では入院患者さん全員に「医療・ケアの希望書」を配布し、患者さんの意思を尊重した医療・ケアを提供しています。

基本方針:
1.本人の意思決定の重要性:患者本人の希望を最大限に尊重し、事前に医療・ケアの希望を話し合うアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を推進します。
2.医療・ケアチームの役割:医師や医療従事者からなるチームが患者や家族と十分に話し合い、患者さんの医師に基づいた医療・ケアを提供することを基本としています。
3.意思の変化への対応:患者さんの意思は変化しうるものであることを前提に、状況に応じた支援と情報提供を行い、必要に応じて話し合い繰り返して行います。
なお、話し合った内容についてはいつでも変更・撤回ができます。
4.本人の意思確認が困難な場合:家族や信頼できる関係者と協力して十分に話し合い、本人にとって最善の方針をとります。また、認知症や障害者、身寄りのない患者に対する特別な支援体制についても整えています。

さらに、倫理的な問題が発生した場合には、当院の委員会にて多職種で検討し助言を行う体制を整えています。

DNARについて

DNARとは、病状の回復が期待できないと判断された終末期状態の患者さんが、心停止した際に患者さんの事前意思に従って心肺蘇生術を行わないことを指しますが、これは心停止時のみに適用され、その他の治療には影響を与えません。

当院ではDNAR指針を策定し、DNAR指示を医師が行う際の基本方針、定義、決定プロセス、記録方法、及びその後の留意点について具体的に示し、患者さんの意思が尊重されるように医療提供を行うこととしています。

そして、患者さんの意思は変化しうるものであることを踏まえ、患者さんの状況や希望に応じて柔軟に対応し、患者さんや家族と医療・ケアチームとの十分な話し合いを通じて、患者さんの意思を反映した最善の医療を提供する方針です。
当院指針での心肺蘇生術は、以下を指します。

①胸骨圧迫法、除細動

②気管挿管/人工呼吸器装着

③昇圧剤の使用


適応外使用について

医薬品は法律(医薬品医療機器等法)に基づいて厚生労働省で承認された方法で使用することが求められています。
しかし治療上、承認内容とは必ずしも一致しない方法で使用すること(適応外使用)もあります。その場合は、当院の倫理小委員会での使用の必要性があるか、有効性・安全性の面から問題ないか審議し、承認を得た上で使用することとしています。

また承認の上、適応外使用を行う場合、通常では医師が口頭や文書を用い説明し、患者さんの同意を得ます。
しかし、科学的に相当な根拠等があり、倫理的に問題が少なく患者さんに有益であると考えられる使用の際は、当院の倫理小委員会で承認をもって、文書または口頭による説明・同意取得を簡略化することもあります。

個々の承認内容について、お知りになりたい場合や医薬品の適応外使用について拒否したい場合は、主治医にお申し出ください。
また、医薬品の適応外使用は医薬品の医薬品副作用救済制度の対象外になる場合があります。

適応外使用1 敗血症ショック患者へのピトレシン使用
適応外使用2 ノルアドレナリンと他のカテコールアミン製剤の併用
適応外使用3 局所麻酔薬中毒患者へのイントラリポスの使用
適応外使用4 QT延長に関連する多形性心室頻拍に対する硫酸Mg補正液の投与
適応外使用5 術後人工呼吸が必要な患者に対する全身麻酔中からのデクスメデトミジン投与、検査時の鎮静
適応外使用6 処置、検査時において中等度鎮静を行うためのミダゾラム使用
適応外使用7 処置、検査時において中等度鎮静を行うためのプロポフォール使用
適応外使用8 処置、検査時において中等度鎮静を行うためのケタラール使用
適応外使用9 処置、検査時において中等度鎮静を行うためのレミマゾラム使用
適応外使用10 せん妄に対するハロペリドールの使用
適応外使用11 せん妄に対するリスペリドンの使用
適応外使用12 せん妄に対するクエチアピンの使用
適応外使用13 せん妄に対するルーランの使用
適応外使用14 せん妄に対するアリピプラゾールの使用
適応外使用15 透析施行中の高濃度カリウム製剤の使用
適応外使用16 カテーテル留置をして持続神経ブロックを受ける患者のポプスカイン使用
適応外使用17 院内調製同種クリオプレピシテートの使用

〒247-8581
神奈川県横浜市栄区桂町132番地

045-891-2171(代表)
  • 受付時間(初診または予約外再診)

    AM 8:30 ~ AM 11:00

    受付時間は上記ですが、診察時間は異なります。
    お待たせする場合がありますのでご承知おきください。

    診療科により、受付時間が異なる場合がございます。
    詳しくは各診療科のご案内でご確認ください。

  • 休診日

    土曜日・日曜日・祝日

    開院記念日(7月15日に一番近い水曜日)
    年末年始(12月29日~1月3日)
    ※ 救急は24時間365日受け付けています。

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