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整形外科 半田 真人
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症により神経の圧迫を来し、保存療法に難渋した方が対象となる術式です。従来であれば、大きく皮膚切開し、たくさんの筋肉をはがして手術治療が行われていましたが、内視鏡による手術が報告されて以来、多くの施設で実施されてきた信頼のおける手術方法です。イラストのようにレトラクターチューブを挿入することで必要最低限の軟部組織(筋肉など)への負担で手術加療を行う事ができ、さらに内視鏡での観察であるため、肉眼よりも詳細に視野確保でき安全性も向上します。手術は1-2時間程度、皮膚切開は2cm弱で、退院まで5日ほど、社会復帰(重労働を除く)までは7-10日ほどが見込まれます(患者様の状態によって異なります)。
変形性腰椎症を背景とした腰部脊柱管狭窄症に対する手術療法です。除圧固定術は、内視鏡などの除圧術に比べて手術侵襲が大きいため、その適応は慎重に検討しています(腰椎の変性が強い、不安定性があるなど)。
手術方法は腰~背中の部分に皮膚切開(10cm前後)を行い、皮下組織や筋肉をよけ腰椎の後面を露出させます。次にイラストのように片側の椎間関節を切除し、神経根を確認します。神経根を保護しながら椎間板や骨棘などを切除することで神経は除圧されます。次に変性してしまっている椎間板を切除し、ケージと呼ばれる人工物、局所骨を椎間に留置、最後に椎弓根に左右二対のスクリュー、ロッドを挿入することで脊柱を再建します。退院は2週間ほどかかることが多く、社会復帰までは1か月ほどの見込みです(患者様の状態によって異なります)。
頸椎の神経の通り道(脊柱管)の狭窄により頚髄症を発症している方が対象となります。頚髄症になると箸の扱いや書字、ボタンの扱いなど細かい操作がしにくくなったり、ふらつきなどを自覚します。
手術方法は頚部の正中を切開し、後方の筋肉、軟部組織をはがして頸椎を露出させます。次に正中で糸ノコギリを使用して、椎弓を観音開きにすることで脊柱管を拡大し、除圧を図ります。手術時間は1-2時間、退院までは2-3週間ほどの見込みです。
思春期特発性側弯症は、有病率2-4%で軽いものの含めると、決して低くない有病率の疾患です。女児に多く、成長期に側弯は進行します。現状、治療効果が認められている治療は装具療法と手術療法のみです(運動療法は議論のあるところ)。Cobb角(側弯の角度)が40~50°を超えてくると手術療法が検討されます。小児に大きな負担をかける手術となるので、大学病院のスタッフと連携して万全を期して手術加療に望みます。手術は5-6時間ほど、入院期間は2-3週間ほどの見込みです。
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