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病院のお話・健康コラム

指のひっかかり(ばね指)

整形外科

整形外科部長 坪内 英樹

指のひっかかり(ばね指)

日常診療において指の付け根が腫れて痛い、ひっかかって元に戻せないなどの症状の方が多く来院されます。これば腱鞘炎の症状です。
指は、すべて腱と呼ばれるひもによって曲げ伸ばしすることができています。腱だけでは力はうまく伝達されず、腱鞘と呼ばれるトンネルの中を通っています。この腱と腱鞘との間で炎症が起こると"腱鞘炎"になります。進行すると、ひっかかりを戻す際にばねのような現象がおこり"ばね指"と呼ばれます。軽症では、ひっかかった指の力だけで戻せますが、症状が重くなると、健康な手で戻そうとしても動かない場合もあります。軽症であれば局所の安静や外用剤を処方して経過をみることがあります。また手指の不具合は、ばね指も含めて女性ホルモン(エストロゲン)の減少も原因の可能性があり、エストロゲンと似た働きをしてくれる大豆由来のエクオールのサプリメントをおすすめすることもあります。
改善のない場合は腱鞘内に局所麻酔薬とステロイドの注射を行います。効果的な治療ですが、腱断裂の危険性を考慮して当科では2週間以上は注射の期間をあけて、2回注射した後に再燃した場合は手術加療をすすめています。
手術加療については局所麻酔による日帰り手術で可能です。指の付け根のひっかかっている腱鞘の直上を1~1.5cmほど切開し神経と血管に注意しながら腱鞘を切離します。局所麻酔で行いますので、手術中に指を動かしていただきひっかかりが消失したことを確認して洗浄して皮膚を閉創します。30分ほどの手術ですが手術翌日に創部の確認、手術後1週間で抜糸のため来院していただきます。PIP関節(いわゆる第2関節)が手術前から伸びきらなくなっている方は、改善に長い時間を要する場合や追加手術が必要な場合もあります。複数の指に症状がある場合は2本までは同時に手術施行しています。3本以上では手術後の疼痛、腫脹が強くなると考え2回以上に分けて行っています。また左右の指に症状がある場合も手術後の生活の困難を考慮し2回以上に分けて行っています。
手指は文化的な生活を営む上で重要な運動器です。1本の指が怪我や病気で動かなくなるだけでも、お箸や書字、ボタンかけ、現代ではスマートホン、パソコンの操作に大きな支障が生じます。今回、ご紹介したばね指以外にも手指でお困りの事がございましたら整形外科外来を受診してください。

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