放射線による緩和ケア

放射線・検査

放射線治療科部長 阿部 達之

放射線による緩和ケア

緩和的放射線治療とは

・痛みをはじめとする身体症状の改善やQOL(生活の質)の向上を目的として行われる放射線治療をいいます.

・今ある症状だけでなく、今後起こりうる症状についての対応も含みます.

放射線治療の特徴は
外科手術や化学療法と比べて「全身への影響が少ない」、「臓器の形態・機能を温存する」、「通常の保険診療で行える」ことです.

緩和的放射線治療が役立つ代表的なケース

骨転移の痛みを和らげる

約60~90%の症例で痛みの緩和が期待できます.
除痛効果は4~8週で効果が最大になると考えられています.
放射線治療終了時に疼痛緩和が得られていない場合でも、その後に痛みが和らぐことが期待できます.

背骨の転移により起こる麻痺を改善する

脊椎(背骨)へ転移した腫瘍により脊髄が圧迫され、痛み、麻痺を引き起こし、生活の質を著しく低下させます.
一般的に、放射線治療により、痛み、麻痺は改善します.

緩和的放射線治療による麻痺の改善率は、照射前の麻痺の程度の大きく左右され
照射前に歩行可能な場合→80%歩行可能
照射前に歩行不能な場合→40%歩行可能
照射前に完全麻痺→7%歩行可能
完全麻痺後では一気に効果が低下します.

このため、以下のような症状がある場合はすぐに受診するようにしてください.

・首から背部の痛み

・ひどくなる腰の激痛

・腕や足のしびれ、だるさ、脱力感

・便や尿が出せない、失禁する

ただし、これらの症状があっても必ずしも背骨への転移による痛み・麻痺ではないことも覚えておいてください.

放射線治療の実際
放射線治療科受診→診察→適応判断→治療計画(CT撮影)
照射時間は1回あたり15~30分程度です.
治療回数は、患者さんの状態によって1回~10回程度です.

詳しくは、日本放射線腫瘍学会JASTROホームページをご覧下さい.

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