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リハビリテーション科部長/整形外科特任 常田 剛
最近の住宅環境は日々進歩しており、そこで暮らす人の安全をしっかりと考えて整備されています。バリアフリー思考に基づく設計も当たり前の様になっており、標準仕様で手すりも設置されるようになってきました。また、必要に迫られ新たに手すりを設置する家庭(私の実家がそうでした)も増えていると思います。今回はそんな身近な手すりについての情報をお話したいと思います。
手すりは立つ・座るなど姿勢の保持、乗り移りや歩くなどの動作を行う場所で用いられ、「握って引っ張る」、「握って上から押す」ような使い方が中心です。また、どの向きに設置するかでも用途が異なってきます。水平(横)方向に設置された手すりは、歩く時や立ち上がった後の乗り移りの際に良く使用されます。つまり水平移動に適した設置方法と言えます。垂直(縦)方向に設置された手すりは、立ち上がりの際に良く使用されます。つまり垂直方向の移動に適した設置方法です。斜め方向に設置された手すりもありますが、実は力が入りにくい
ためにあまり多くはありません。もちろん階段や坂道は例外ですが・・・。
手すりの設置場所は主に4つに大別できます。
Ⅰ、立ち上がりなど、重心の上・下移動の大きな場所
Ⅱ、敷居や段差の乗り越え・方向転換など、バランスを崩しやすい場所
Ⅲ、トイレなど、座っている状態が必要な場所
Ⅳ、浴室など、難しい状況下で歩く必要性の生じる場所
では、以下の住まいにおける手すりの設置方法を簡単にご案内致します。
①トイレ
立ち上がり用には縦手すり、寄りかかり用には水平(横)手すりになるような"L字型手すり"(下図)を設置するのが原則です。当たり前のことですが、障害・体格いの違いにより設置向きや水平(横)手すりの高さと垂直(縦)手すりの位置は変化します。実際に座って頂き、手を伸ばして確認する方法が確実です。
②玄関
下駄箱を手すりの代わりに利用することも多く、耐震性を含め、しっかりと取り付けられているかを確認する必要があります。上がり框、ベンチおよび椅子を設置した場合、立ち上がり易い場所に縦手すりを取り付ける必要性がでてきます。高い上がり框を解消するために敷台(下図)を設置することもあります。その場合は斜め手すりを取り付けることもあります。
③寝室・居室
まずはベッドの配置です。ベッドは必ず起き上がりやすい向きのスペースを広くとり設置しましょう。起き上がりの際、介護用ベッドではベッド柵を使用することができますが、一般的なベッドの場合には殆ど柵がついてないので、ベッドに差し込むタイプの手すり(下図)をご提案します。手すりの設置場所も比較的容易に変更出来るので利便性に優れています。ただし、手すりに摑まるのは動く方向を誘導するためなので、リハビリでは体幹の重心移動を利用し、上肢にかかる負担を軽減する方法を指導しています。立ち上がる際も同様で、手すりを引っ張るのでは無く、押すように利用することで力を有効に活用できます。利用者の能力に併せて選択してください。
居室(居間など)の場合は、基本的には水平移動が中心であるため、横手すりが一般的です。ただし、居室には物が多く手すりの設置場所が限定されるので、日常的には家具などを手すりの代わりにする場合が多い印象です。その際の注意点としては、不安定な家具はかえって危険であり、安定支持が可能な家具のみを選択して利用してください。また、居室間の移動は敷居などの段差もありますので、その場合は縦手すりの設置(下図)も検討してみてください。
④階段
階段の場合は、当然ながら手すりは斜め設置になります。やはり、斜め手すりは握る力が入りにくいので望ましく無いですが、階段の場合は構造上やむを得ません。注意点は、段の最初と最後に横手すりを必ず設置(下図)することです。それにより、昇りきった所と降りきった所での安全性を高めることが出来ます。また、次の廊下の項にも共通しますが、手すりの淵には丸み(⇒R:アール)をつけ、ケガの予防や袖などが引っ掛かりにくくする配慮が必要となります。
⑤廊下
廊下では、水平移動が中心のため横手すりが必要となります。可能な限り連続して設置出来るようにしましょう。手すりと手すりの間が離れてしまう場合でも、歩かずに手が届くよう配慮してください。
⑥浴室
浴室の出入り口には安全のために"縦手すり"、出入り口から浴槽までは"水平手すり"、浴槽を跨いで入る際は"縦手すり"を設置します。浴槽の縁に取り付けられる簡易式の手すりもありますが、浴槽の形状によっては取り付けられないこともありますので注意が必要です。
浴槽から立ち上がる際も安定するように"水平手すり"を浴槽周囲に設置します。更に椅子から立ち上がって身体を洗う場合に備え、立ち上がり用の"縦手すり"を設置することもあります。このように、浴室は足元が不安定で水平および上下移動が頻繁に出現する特殊な場所であるため、身体能力に併せて必要な箇所に設置する様にしましょう。
以上で主な手すりと、その設置箇所に於けるポイントを説明しました。次は、手すりの素材別の特徴について説明します。大きく以下の3つに分類出来ます。
Ⅰ、木製手すり
適度のたわみがあり、暖かみがあります。塗装によっては色合いの変化も可能です。水気 の多い浴室以外にて使用することが一般的です。しかし、曲げるなどの加工が難しいため、連続した手すりには不向きな材質となっています。
Ⅱ、金属手すり
鉄製とステンレス製が大部分です。鉄製は安価ですが腐食してしまうことが欠点です。その為、木製同様に浴室や洗面所などでの使用には向きません。もっとも塗装を施すことにより腐食を防ぐことは可能です。ステンレス製はサビにくく浴室・洗面所などで使用されます。そのほかにアルミ製もあります。
Ⅲ、ビニール製手すり
ビニール製といっても全てがビニールで出来ている訳ではありません。アルミや鉄を芯にしてビニール被覆された手すりです。抗菌タイプもあり耐久性に優れています。浴室やトイレなどの水廻りで使用されます。
それぞれの特徴を理解して安全に利用して頂ければ幸いです。手すりの設置に際しては、利用される個人によって状況が異なるため、専門のスタッフにご相談されることをお勧めします。
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