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病院のお話・健康コラム

手術による人工肛門造設

消化器外科

消化器外科 部長 加藤 秀明

手術による人工肛門造設


大腸の手術をする際に患者さんとお話をしていると「人工肛門になりますか?」と質問されることがよくあります。先日亡くなられた故渡哲也氏も人工肛門であったと言われ、皆さんが気にされることの一つでしょう。

人工肛門(stoma;ストーマ)とは、手術で作られた便の出口(人工的な肛門)のことを言います。尿を出すためのものもありますが、ここでは便を出すものについて解説します。

人工肛門は機械ではなく、自分の腸の一部をおなかの皮膚に縫い付けて便が出るようにしたもので、使う腸により回腸ろう(ileostomy;小腸のストーマ)と結腸ろう(colostomy;大腸のストーマ)があります。

ストーマ自体は腸の一部ですので、3~4cmほどのきれいなピンク色の腸粘膜が皮膚に乗った様子になります。一時的なものと永久的(死ぬまでのつきあい)なものがあり、一時的ストーマの主なものは、大腸手術で吻合(結腸をつなぐ)した際に、縫合不全という合併症を避けるために吻合部の上流の腸管にストーマを作るものです。回腸、もしくは横行結腸に作成します。吻合部がしっかり治癒した3~6か月後に一時的ストーマを閉鎖するのが一般的です。ストーマを閉鎖した後は、本来の肛門から排便できるようになります。

永久的なストーマは、肛門に近い直腸癌(吻合することができない)などの場合に作られます。直腸の上流のS状結腸に作られることがほとんどで、左中~下腹部に新しい便の出口ができます。排便はもとのようにコントロールすることができないので、ストーマの周りに装具(パウチという袋)を皮膚に貼り付けて便を回収します(排便をコントロールするには洗腸排便法を行います)。パウチ製品は形状、材質など多種あり、その人に合ったものが選べます。

よく質問されますが、入浴や適度なスポーツ、旅行も可能です。自然の肛門と違う点は、便の出口が腹部の皮膚にある点と排ガスのコントロールができないことです。便の性状によっては皮膚炎を起こす場合もあります。当院にはストーマ管理の資格をもった看護師もいますので、いろいろな心配事などもお気軽にご相談ください。

外来Aブロックでは「ストーマ外来」を行っています。永久的なストーマを作成した場合は、身体障害者診断書・意見書(ぼうこう・直腸機能障害用)の申請を行って、住民票のある市区町村から身体障害者手帳を交付してもらい、行政からの保護を受けることが可能です。

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