国家公務員共済組合連合会 横浜栄共済病院|栄区唯一の救急医療機関|地域医療を新たなステージに高める

アクセス
メニュー

病院のお話・健康コラム

バセドウ病の放射線治療~放射性ヨウ素内用療法~

放射線治療科

放射線治療科部長 阿部 達之

バセドウ病の放射線治療~放射性ヨウ素内用療法~

甲状腺は、食物中のヨウ素を原料にして甲状腺ホルモンを産生します。
甲状腺ホルモンは生きるために必須ですが、血中濃度が高過ぎても、低すぎても体調不良になります。バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰となり、甲状腺腫大、眼球突出、頻脈など症状が特徴です。
治療法は、抗甲状腺薬、放射性ヨウ素内用療法、外科切除の3つがあります。

放射性ヨウ素内用療法
50年以上の歴史があり、安全性の高い治療です。
放射性ヨウ素とは
放射性を出すヨウ素(Ⅰ-131)のこと。
放射線を放出する以外、性質は普通のヨウ素と全く同じです。
放出する放射線は、主にベータ線で、微量のガンマ線が混じります。
放射線の届く距離は短く、甲状腺以外の正常組織へのダメージが少ないのが特徴です。
放射能が半分になる期間(半減期)は、8日と比較的短期間です。

放射性ヨウ素内用療法の適応
・抗甲状腺薬で副作用がある方
抗甲状腺薬でコントロール不良の方
・外科切除後の再発
・切除や抗甲状腺を希望されない方
・心疾患、周期性四肢麻痺などにより確実なコントロールを必要とする方

禁忌
・妊娠、または現在その可能性のある方
・授乳中
相対的禁忌
・眼球突出の方:症状が悪化するリスクが高く、避けた方が無難です。
慎重投与
・18才以下の小児:他の治療法が選択できない場合に考慮されます。

治療の流れ
内服前1週間~内服後2日
・抗甲状腺薬中止
・ヨウ素禁食

内服当日
放射線科アイソトープ室で、放射性ヨウ素の入ったカプセルを内服します。

内服後の注意点
3日~1週間
甲状腺から微量のガンマ線が放出されます。また、唾液、汗、糞尿から微量の放射性ヨウ素が排出されるため、周囲への注意が必要になります。
6ヶ月間
避妊が必要です。

治療後の経過
数ヶ月から1年かけて徐々に甲状腺ホルモン値は低下していきます。
それまでは、甲状腺ホルモン値が変動するため、体調不良になることもあります。
内分泌内科医による経過観察を定期的に受け、抗甲状腺薬の調整を行います。
最終的に甲状腺機能低下症になることがあります。その場合は、甲状腺ホルモンの補充(内服)が必要になります。甲状腺ホルモンに副作用はありません。

  • 外来受付

    AM 8:30 ~ AM 11:00

    診療科により、受付時間が異なる場合がございます。
    詳しくは各診療科のご案内でご確認ください。

  • 休診日

    土曜日・日曜日・祝日

    開院記念日(7月15日に一番近い水曜日)
    年末年始(12月29日~1月3日)
    ※ 救急は24時間365日受け付けています。

  • 面会時間

    面会制限中