バセドウ病の放射線治療~放射性ヨウ素内用療法~
甲状腺は、食物中のヨウ素を原料にして甲状腺ホルモンを産生します。
甲状腺ホルモンは生きるために必須ですが、血中濃度が高過ぎても、低すぎても体調不良になります。バセドウ病は甲状腺ホルモンが過剰となり、甲状腺腫大、眼球突出、頻脈など症状が特徴です。
治療法は、抗甲状腺薬、放射性ヨウ素内用療法、外科切除の3つがあります。
放射性ヨウ素内用療法
50年以上の歴史があり、安全性の高い治療です。
放射性ヨウ素とは
放射性を出すヨウ素(Ⅰ-131)のこと。
放射線を放出する以外、性質は普通のヨウ素と全く同じです。
放出する放射線は、主にベータ線で、微量のガンマ線が混じります。
放射線の届く距離は短く、甲状腺以外の正常組織へのダメージが少ないのが特徴です。
放射能が半分になる期間(半減期)は、8日と比較的短期間です。
放射性ヨウ素内用療法の適応
・抗甲状腺薬で副作用がある方
・抗甲状腺薬でコントロール不良の方
・外科切除後の再発
・切除や抗甲状腺を希望されない方
・心疾患、周期性四肢麻痺などにより確実なコントロールを必要とする方
禁忌
・妊娠、または現在その可能性のある方
・授乳中
相対的禁忌
・眼球突出の方:症状が悪化するリスクが高く、避けた方が無難です。
慎重投与
・18才以下の小児:他の治療法が選択できない場合に考慮されます。
治療の流れ
内服前1週間~内服後2日
・抗甲状腺薬中止
・ヨウ素禁食
内服当日
放射線科アイソトープ室で、放射性ヨウ素の入ったカプセルを内服します。
内服後の注意点
3日~1週間
甲状腺から微量のガンマ線が放出されます。また、唾液、汗、糞尿から微量の放射性ヨウ素が排出されるため、周囲への注意が必要になります。
6ヶ月間
避妊が必要です。
治療後の経過
数ヶ月から1年かけて徐々に甲状腺ホルモン値は低下していきます。
それまでは、甲状腺ホルモン値が変動するため、体調不良になることもあります。
内分泌内科医による経過観察を定期的に受け、抗甲状腺薬の調整を行います。
最終的に甲状腺機能低下症になることがあります。その場合は、甲状腺ホルモンの補充(内服)が必要になります。甲状腺ホルモンに副作用はありません。