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病院のお話・健康コラム

液体窒素処理骨移植

整形外科

整形外科副部長/関節再建外科・人工関節センター センター長  五十嵐 健太郎

液体窒素処理骨移植

自家液体窒素処理骨による再建術

横浜栄共済病院では20234月から液体窒素処理骨による再建術が行えるようになりました.

腫瘍用人工関節の問題点

悪性骨腫瘍(がんの骨転移を含む)を手術で切除した場合,骨欠損をどのように再建するかという問題が生まれます.腫瘍用人工関節を用いれば,大きな骨欠損も補うことができますが金属やポリエチレンなどを用いた再建であるため長期的にみると,人工関節が摩耗し,緩んだり,折損したりすることが問題となります.20240124_1column.png

また腫瘍用人工関節を用いた場合,腫瘍が関節に及んでいなくても,正常な関節も一緒に切除することになり,関節の機能が大きく低下することが一般的です.

液体窒素処理骨移植術の開発

当院の土屋病院長は前任の金沢大学整形外科において,腫瘍とともに切除した骨を一塊として液体窒素の中で処理し,腫瘍細胞を死滅させたうえで再び体に戻して骨欠損部を再建する方法を考案し,基礎実験に基づいて,1999年から臨床応用してきました.2004年からは先進医療として治療を行い,20204月から処理骨自家骨移植の一つとして保険収載されました.当院でも液体窒素処理骨移植術を行う環境を整え,手術を行っています.

液体窒素処理骨では,処理直後の力学的強度が処理前と同等に保たれることや,凍結免疫(液体窒素で処理した細胞が体の腫瘍に対する免疫力を高めること)を期待できることなど,悪性腫瘍の治療に有利となる特徴を多く有していることをこれまでの研究で明らかにしてきました.

早期回復に向けた様々な手術方法

液体窒素処理した骨が早く回復し,少しでも早く生活に復帰できるために,大腿骨や脛骨などの近位にある骨腫瘍では,腫瘍部を体から切り離すことなく液体窒素処理する方法(有茎液体窒素処理)を行っています.

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化学療法が効果的な場合,対側の骨を温存して腫瘍を切除し,再建を行うことでも,処理骨のより早い回復を期待することができます.

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化学療法が効果的で腫瘍が関節に及んでいない場合では,関節を温存するように腫瘍骨を切除し,液体窒素処理骨再建を行うことで,より良好な機能温存を行うことができ,術前と同じように生活し,スポーツに復帰した方も多くいます.

腫瘍が関節に及んでいる場合でも,液体窒素処理後に関節面のみ通常の人工関節に置換し,靭帯などを再建(処理骨に再縫着)することで,腫瘍用人工関節に比べて,良好な機能を得られます.

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保険適応

2020年4月から処理骨自家骨移植の一つとして保険収載されました.当院では厚生局に届出書を提出し施設基準を満たしているため保険適応となっています.

関節機能の温存を目指して

がん集学的治療の発展に伴い担がん患者さんの予後は改善する一方で転移性骨腫瘍でお困りの方も増えている現状があります.私たち整形外科医はがん診療チームの一員として転移性骨腫瘍や原発性骨軟部腫瘍診療に積極的に関わり,液体窒素処理骨移植術を含めた高度な医療の提供に努めます.お困りの患者さんがおられましたら,病診連携を通し骨軟部腫瘍外科外来にご紹介いただけますと幸いです.

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