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病院のお話・健康コラム

リンパ浮腫 ~自分でできる予防とケア~

リハビリテーション科

作業療法士 古屋 麻美

リンパ浮腫 ~自分でできる予防とケア~

乳がんや子宮がん・卵巣がんなどの手術でリンパ節を切除すると、術後の後遺症として手術側の腕や脚にむくみがおこることがあります。また、放射線治療後にもむくみが生じることがあります。これを"リンパ浮腫"といいます。わきの下や脚のつけ根のリンパ節は心臓へ流れていくリンパ液の通り道にあり、流れてきたリンパ液に含まれる老廃物を除去する働きをしています。それを切除することによってリンパ液の流れが悪くなり、腕や脚にリンパ液がたまってむくみが生じるのです。これは術後数ヶ月から数年以上たってからおこる場合もあります。リンパ浮腫はいったん発症すると完治が難しく、一生つきあっていかなければなりません。しかし、日常生活に注意することで発症を予防することが可能です。まず気を付けなければいけないのは、スキンケア(皮膚を傷つけない・皮膚を清潔に保つ)と腕や脚に負担をかけない(リンパ液の流れを滞らせない)ようにすることです。その具体例としていくつかご紹介します。

・日焼けや虫刺されには気を付ける

・採血や注射を受けるときは手術側と逆側の腕で行う

・皮膚は泡立てた石鹸で傷つけないように洗う

・洗い終わったあとは保湿し乾燥から肌を守る

・水虫や湿疹などもむくみの悪化の原因になるので、早めに治療する

・手術側の腕で重い荷物を長時間持つなど、腕が疲労するような使い方は控える

・部分的にきつい締め付けがある下着もリンパ液の流れを滞らせてしまうので、ゆった

 りした下着を選ぶ

・同じ姿勢での長時間のデスクワークや立ち仕事を避け、こまめに休憩をとり、リンパ

液の流れを促す体操を行う

・就寝時は腕や脚を高くして休む

・疲労やストレスを溜めない

その他、簡単な運動療法として、まず腹式呼吸と肩回しを行います。腕にむくみがある方は、ゆっくりと大きく手を握ったり開いたりすることと、肩の挙上(バンザイ)、肘や手首の関節の曲げ伸ばしを行います。脚にむくみのある方は、ゆっくり膝や足首の曲げ伸ばしをする運動を行います。筋肉を収縮・弛緩させることで周辺のリンパ管への刺激が生じ、リンパ液を流すことができます。実際にリンパ浮腫を発症してしまった場合は、圧迫療法(弾性着衣、バンデージ)やリンパドレナージといった治療が必要になります。当院にもリンパ浮腫外来がありますので、まずは主治医にご相談ください。

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