食物と腸の関係 ー腸閉塞(癒着性イレウス)ー

消化器

消化器外科 部長 川口 雅彦

食物と腸の関係 ー腸閉塞(癒着性イレウス)ー


お腹の手術を受けると癒着で腸閉塞あるいはイレウスになると聞いたことがありますか? (腸閉塞とイレウスは少し違いますがここでは同じものとします。)

口から肛門までの食べ物の通り道が消化管です。腸閉塞はこの一本道のどこかで流れが悪くなり詰まってしまう病気です。それにより腹痛、嘔吐などが起こります。原因は様々ですが手術後におこる小腸の癒着性イレウスは腸閉塞の代表です。腸閉塞になると、飲食を休んで通りが良くなるのを待ちますが治らないと手術が必要です。

では癒着とはどんなものでしょうか。手術で切った傷がくっつくのも腸をつなぐことができるのも癒着のおかげです。開腹手術をすると必ずお腹の中に癒着がおこります。でき方に個人差は大きく、再開腹したときにべったり癒着している方もいれば、きれいになくなっている方もいます。ただ、術後にお腹の調子が悪いと「癒着のせいですね」などと悪者にされます。実際には直接見ない限りどんな癒着があるかはわかりません。

さて、癒着という素因がある人に何かの拍子で腸閉塞が起こります。きっかけは体調や気圧などもありますが、主な原因は食べ物になります。流れの悪いところに食べ物が引っかかります。患者さんの好物が腸閉塞の原因になりやすい食べ物のこともあります。

原因となりやすい食べ物の代表は、きのこ、タケノコ、海藻、こんにゃく、山菜など消化の悪いものです。また、もちは動きの悪い腸の中ではコンクリートのように固まります。豆やコーンなど皮が硬いものは大量に食べると腸の狭い部分で引っかかります。さらに、果物の柿は腸の動きを鈍くし、空腹時に食べると胃酸と混ざって胃石という塊になります。ドライフルーツを丸呑みしたらお腹の中で水により膨張し腸閉塞になることもあります。生野菜が腸の狭い部分でひっかかり腹痛がおこることもあります。

この中によく食べる物はありますか?腸閉塞となった方でなければ神経質になる必要はないですが、開腹手術後の方は細かくしたり小分けに食べるようにしましょう。

なお最近は手術中に癒着を軽減する処置もあり術後腸閉塞になる頻度は減っていて、繰り返す人も少なくなりました。腸閉塞になりやすい方は大建中湯という漢方薬を使います。これは主に生姜、朝鮮 人参、山椒が調合されています。とすると生姜料理は腸の動きをよくするのによさそうです。

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