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病院のお話・健康コラム

腹部大動脈瘤について

心臓血管外科

心臓血管外科 医長 新谷 佳子

腹部大動脈瘤について

腹部大動脈瘤(ふくぶだいどうみゃくりゅう)は、腹部を通る大動脈が異常に膨らむ病気です。この状態が進行すると血管が破裂するリスクが高まり、命に関わる可能性があります。早期発見と適切な治療が非常に重要です。

腹部大動脈瘤のリスク因子

以下の要因がリスクを高めるとされています:

  • ・加齢:特に65歳以上の男性に多い。
  • ・喫煙:動脈硬化の進行を促進。
  • ・高血圧:血管に余計な負担をかける。
  • ・家族歴:遺伝的要因も関与。
  • ・性別:女性より男性に多く発症。
  • ・感染や炎症:血管が弱くなる。

症状

腹部大動脈瘤は初期にはほとんど症状を示しません。サイレントキラーと呼ばれる理由の一つです。しかし、以下の症状が現れることがあります:

  • ・腹部や背中の鈍い痛み。
  • ・拍動を感じる腹部のしこり。
  • ・足への血流不足による冷えやしびれ。

もし瘤が破裂すると、激しい腹痛、血圧の急激な低下、意識消失を伴う可能性があります。この場合、即時の治療が必要です。

診断方法

腹部大動脈瘤は主に以下の検査で診断されます:

  • ・超音波検査:最も一般的で簡便な方法。
  • ・CTスキャン:瘤の正確な位置や大きさを確認。
  • ・MRI:必要に応じてさらに詳細な画像を取得。

治療方法

治療は瘤の大きさや進行具合によって異なります。

  • ・経過観察:瘤が小さい場合は、定期的な検査で変化を監視。
  • ・手術:瘤が急速に大きくなったり、瘤が50mmを超えてきた場合に適応となることがあります。
    • ・開腹手術:瘤の部分を人工血管で置換。
    • ・ステントグラフト内挿術:カテーテルを使い、瘤の内部にステントグラフトを挿入して補強。

予防と日常生活

予防には生活習慣の改善が重要です。

  • ・禁煙:喫煙を続けると破裂リスクが上昇します。
  • ・血圧管理:減塩食や適度な運動を心がけましょう。
  • ・定期的な検診:特に65歳以上でリスク因子がある方は超音波検査を受けることを推奨します。

最後に

腹部大動脈瘤は早期発見と適切な治療により、予後を大きく改善できる病気です。健康診断や検査で異常を指摘された場合は、医師の指示をしっかりと守りましょう。また、少しでも不安や疑問がある方は、当院心臓血管外科にご相談ください。

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