呼吸器内科 部長 三浦 健次
コロナ禍、テレビ報道等で在宅診療患者さんの指にモニターをつけて脈拍数と
SpO2; 酸素飽和度(%)=酸化ヘモグロビン/酸化ヘモグロビン+還元ヘモグロビン
を測定する光景を目にすることはあったと思います。しかしこれは以前より呼吸器科の他、救命救急現場でも行われてきていたことであり、決して真新しいことではありません。
動脈血中の酸素分圧(mmHg)が低いことを呼吸不全といいますが、これは採血をしないとわかりません。しかし、一定環境下では指で測定するSpO2(%)と酸素分圧(mmHg)は相関していることが知られており、例えばSpO2 90%は酸素分圧60mmHgに相当します。いちいち採血しなくてもその場で連続的に呼吸状態を予測できるツールです。
しかし、パルスオキシメーターはご存知の通り指に挟みます。波長の違う二つの色(赤色光と赤外光)を用い、指の血流にある酸化ヘモグロビンと還元ヘモグロビン吸光度の違いを利用し(難しすぎるので詳細は省略)、SpO2を測定します。指の血流が悪くてもそうですが、光が邪魔されるような爪の汚れ・マニキュアもこれを正確に測定することはできなくなってしまう可能性があります。
あらかじめ病状的にわかっている方は、マニュキュアを除光液で落としてから受診することが望ましいですが、急な場合もあるでしょう。その様な際、爪を挟まない方向90°回転して測定することで代用します。当院について