無痛(硬膜外麻酔)分娩について

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看護師 井上 由美

無痛(硬膜外麻酔)分娩について

無痛(硬膜外麻酔)分娩は日本でも急速に広まろうとしています。当院でも開設当初より取り組んだ無痛分娩は徐々に増え、2024年度は、帝王切開を除く分娩のうち52%の方が選ばれていました。

無痛分娩は、個人差はありますが、自然分娩と比較すると明らかに痛さが軽い出産ができています。分娩中は家族と談話することができ、助産師の声掛けに合わせた呼吸をして、赤ちゃんが出そうな"いきみ感"を感じながら、落ち着いた様子で赤ちゃんの誕生を感じ喜ぶことができています。さらに、産後の傷縫合をする際に痛さは軽く、産婦さんは産後すぐから赤ちゃんとの時間を家族と余裕をもって過ごしています。また、分娩進行が早い例も多くあります。

無痛分娩は増えていますが、「無痛分娩は大丈夫なの?副作用は?赤ちゃんには影響はないの?お産は自然なものだから何もしない方が良いのでは?」という思いを、産婦さんやご家族、これから妊娠を考えている方も、まだまだいるのではないでしょうか。時には、無痛分娩のデメリットを感じる分娩もあります。硬膜外麻酔のそのものによる副作用よりも、陣痛が弱くなって分娩が進行しないことや、それによる吸引分娩が増えること、多量出血や貧血になることです。SNSや、知人の話は見聞されていますが、充分な情報を産婦さんが掴めていないと助産師は感じています。無痛分娩にするのか、自然分娩にするのか、それぞれの特徴とメリットとデメリットを、正しい情報元から積極的にキャッチして、自分がどのようなお産をしたいかと自分にあった分娩方法を選択してほしいと思っています。そして、比較的、無痛分娩を希望する際は痛みを軽くすることに注視してしまいがちですが、母子ともに無事に出産できることが大切ですので、妊娠中から体や心の出産準備は万全でありたいものです。

そのため、当院では、両親学級を開催し、麻酔科医師と助産師により無痛分娩についてお話をさせていただいています。また、他の産婦さんとの意見交換の機会を持ち、思いを共有して、安心した気持ちで無痛分娩ができる様に取り組んでいます。是非、無痛分娩を希望されている方、迷っている方はご参加してください。また、総合病院の特性を活かし、麻酔科医師によって麻酔を行い、できる限り日中のお産とする事で、安全な医療で無痛分娩ができる様にしています。そして、WHO(世界保健機構)の提言に「産婦が望む疼痛軽減は希望があれば推奨する」とあるように、助産師は無痛分娩を希望する産婦さんの思いを受け止めて、自然分娩と同様に、分娩がスムーズで安全に進行するように産婦さんと対話をしながら痛みに対処し、自分らしい出産ができるよう、妊娠期から助産師外来での関わりを通じて取り組んでいます。

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