健康コラム

転倒を防ぐ靴の選び方

リハビリテーション科

リハビリテーション科 宇田川 香奈

転倒を防ぐ靴の選び方

「良い靴は良い場所に連れて行ってくれる」というイタリアのことわざがあります。それでは「良い靴」とはどんな靴でしょう。どんなに素敵に見える靴でも、足に合わずに転倒してしまえば元も子もありません。令和4年度の厚生労働省の調査によると、介護が必要になった主な原因の第3位は「骨折・転倒」となっています。転倒を防ぐには、靴の選び方も重要な因子です。今回は、転倒のリスクを下げる「良い靴」を選ぶポイントを紹介します。
ポイントは、①足にフィットしたサイズと形②十分な屈曲性③重さ、重量のバランス④つま先の高さ⑤滑りにくい靴底、の5つです。


①足にフィットしたサイズと形(12)
靴のサイズは、つま先に1cm~1.5cmほどの余裕がある、甲部の締まりがある、前後左右のずれなく踏ん張れる、踵の当たりがない、靴の接地面が広い(ヒールの高さは4cm以内)ものを目安に選びましょう。

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靴の形は、踵を覆うタイプがおすすめです。スリッパ・サンダルは、躓きやすく・脱げやすく・すべりやすいため注意が必要です。

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また、テープ式・ファスナー式の方が紐靴よりも着脱が簡単で、適切に締め付けやすいのでおすすめです(3)。紐靴を履く際は、きちんと紐をしめて結びましょう。

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  • ②十分な屈曲性

足の指の付け根までが曲がる靴底を選びましょう(図4)。靴底が硬すぎると疲労や摺り足の原因となります。

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  • ③重さ、重量のバランス

重さは片靴900g以下を目安に選びましょう。重すぎると摺り足の原因になります。

また、つま先が重く踵が軽いと、つま先が上がりにくく、床につまずきやすくなるため、重量のバランスも意識しましょう(5)

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  • ④つま先の高さ

つま先が高い(つま先が適度にそっている)靴がおすすめです(6)。つま先の高さが低いと、床につまずきやすくなります。

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  • ⑤滑りにくい靴底

靴底の素材には、ゴムやセラミック等で滑り止め加工がされている靴を選びましょう。ただし、滑りにくい床の上を滑りにくい靴で歩くと、摩擦が大きくなりすぎてつまずくリスクが高くなります。できれば外出先にあわせた靴を、いくつか準備できるといいでしょう。 

また、靴底の減りがあると滑りやすくなるので、こまめに確認しましょう(7)

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ご自分の足のサイズ(長さ・高さ・幅)や、形(扁平足、外反母趾・開張足など)を知っておくと靴選びの一助となります。自分の足をよく観察してみましょう。

また、靴と床の相性や、屋外と屋内の環境の差により転倒することもあり、どんな場所にも転倒のリスクは潜んでいます。今回は良い靴の選び方をご紹介しましたが、良い靴を選ぶだけでは転倒を完全に防ぐことはできません。日ごろから転倒予防のための運動(脚や足の指の筋力強化トレーニング、立位でのバランストレーニング等)を行い、身体機能の向上を図ることも重要です。そして、「良い靴は良い場所に連れて行ってくれる」を安全に体現して、楽しい日々を過ごしましょう。

(*図1、図47- 厚生労働省秋田労働局ホームページ「STOP!転倒災害プロジェクト」サイトより)
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