健康コラム

歩行の検査について

リハビリテーション科

歩行の検査について

信号が「青」のうちに横断歩道を渡りきるために必要な歩行速度をご存知でしょうか?

正解は秒速1mとされています(※年齢にもよります)。例えば、20mの横断歩道を渡りきるには、青信号の点滅時間を含めると約20秒となります。
ところで、何らかの病気のため入院し、無事に退院した場合、皆さんは果たして秒速1m以上の速度で歩くことができるでしょうか?その助けとなるべく、理学療法士は"起き上がる"・"立つ"・"歩く"などの「動作」の専門家として存在します。私たちは活動を支えるために、関節の動きや筋肉の出力の程度だけではなく、感覚情報が脳でどのように処理されて知覚し、運動を制御しているのかを評価・考察しながらリハビリを行っています。
医師が、採血やレントゲンなど様々な検査を行って結果を統合して診断を下し、処方して治療していくように、リハビリでも幅広く検査を行っています。その中でも歩行の検査は、リハビリの効果判定の位置付けとして全国・全世界で利用されています。
例えば、TUG(Timed up and go)テスト(図1)があります。この検査は、椅子から立ち上がり、3m歩いて折り返し、再び座るまでの時間を測定します。この検査結果により転倒リスクの予測や、動的バランス・歩行能力をみることができます。一般的に、転倒リスク増大の基準値は13.5秒以上と言われています。

また、6分間歩行テスト(図2)という検査もあります。このテストは、30mの平坦な直線コースを6分間歩き、その距離を測定します。この結果により、心肺機能や体力を知ることができます。400m以下となると、屋外活動に制限が生じると言われています。

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このように、理学療法士はいろいろな検査や効果判定を行いながら、次なる目標を設定し、最終的には退院後の「活動」を叶えられるように、患者さんに合わせたオーダーメイドのプログラムを実践しています。入院生活という人生の極限られた一場面ではありますが、「良き伴走者」となって、リハビリを提供いたします。
 

引用文献

1) 我満衛ら:Timed Up Go testに影響を与える運動機能因子の検討.総合検診.2014,41(5),p586-590

2) 稲川利光:内部障害ビジュアルリハビリテーションWeb動画付き.Gakken .2025

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