ロボット手術センターは2024年4月にダビンチ ・サージカルシステム(Intuitive Surgical社製 Da Vinci Surgical System)の導入とともに設立しました。当センターではロボット支援手術を安全かつ円滑に導入・運営し、結果として患者さんにより低侵襲で確実な治療を提供することを目的としております。
また当院では原則として保険収載されている手術を行うことしており、患者さんのQOLや予後を含めた安全性を第一と考えております。
センターを構成する科は消化器外科、泌尿器科、呼吸器外科、婦人科と多岐にわたっていますが現在は胃癌、大腸癌、前立腺癌を導入しております。
初症例は5月に開始され各領域順調に症例を重ねております。
Da Vinci Surgical System(以下DVSS)は3つの部分で構成されています
手術を行う執刀医が捜査するいわゆる「操縦席です」
捜査は親指と中指を入れて行います
術者の背の高さ、手が届く距離にぴったりと合うように、サージョンコンソールは複数の方法で調節できます。4本の各アームに装着された、手首のような機能を持つインストゥルメントを術者は自在にコントロールでが直感的に可能です。
3Dハイビジョンの術野はまるで「自分が小さくなって、患者さんの体内に入り込んで手術をしているような感覚を術者にもたらします。
フィルター機能(手ぶれ補正)は術者の手ブレを完全に無くしてくれます。
患者さんに繋いで実際に手術を行う部分です
患者さんに配置されたポートに接続しEnd Wristやさまざまなデバイスによって手術を行います。
ビジョンカートは、電源、画像処理、情報システムの統合しています。さらに、手技のライブ映像を映し出す大型HDディスプレイで、手術チームが映像を共有し且つプロクターが具体的に指導できます。
またスケーリング機能と言って術者の動きに対してその動きを縮小して伝える機能があります。例えば術者が3cm動いても患者さん側は1cmしか動かなないため、狭い場面での縫合などには非常に有利になります
DVSSはこの3つによって構成されており、これらによって術者は3Dのハイビジョンの中580度の可動域を持ったEndowristで手ブレの無い、より繊細で精緻な手術が可能になります。
各領域について現在のでているエビデンスについて概説します
胃がんの領域では国内から合併症が半分以下になる報告がなされています(1)その後3年ではありますが予後を改善するデータが発表され(2)、胃切除は2022年からロボット加算が認められています。中国や韓国からのRCTの報告では出血量やリンパ節郭清個数、在院日数の点でロボットが優っています(3)(4)
また大腸がんではロボット支援手術は切離面への癌の露出が少ないため根治性に優れ、合併症が少なく周術期には優れていることがRCTで確認されています。
長期予後に関しては未だ報告を待つ必要があると思われます
ロボット支援手術は2018に最初に前立腺がんに対するロボット支援手術が保険収載されたこともありたくさんの症例が重ねられています。また世界的に見てもevidenceは多いです。
前立腺全摘を例にとると
開腹vs腹腔鏡(ラパロ)vsロボットで比較されています
予後 : 開腹=腹腔鏡(ラパロ)=ロボット
出血や合併症: 開腹>腹腔鏡(ラパロ)=ロボット
尿失禁の回復: 開腹&腹腔鏡(ラパロ)<ロボット
性機能の回復: 開腹&腹腔鏡(ラパロ)<ロボット
総じて前立腺がんのロボット支援手術の予後は変わらないが周術期や術後の生活の質が優れていると思われます
ロボット手術をされる方のご紹介については、消化器外科、泌尿器科へお願いいたします。 現在、ロボット手術に関しては速やかに行える状況にありますのでよろしくお願いいたします
文献
(1)Uyama I et al: Clinical advantages of robotic gastrectomy for clinical stage I/II gastric cancer: a multi-institutional prospective single-arm study. Gastric Cancer. 2019 Mar; 22(2): 377-385.
(2)Suda K et al: Three-year outcomes of robotic gastrectomy versus laparoscopic gastrectomy for the treatment of clinical stage Ⅰ/II gastric cancer: a multi- institutional retrospective comparative study. Surg Endosc. 2003 A: 2858-2872.
(3)Jun Lu ET AL: Assessment of Robotic Versus Laparoscopic Distal Gastrectomy for Gastric Cancer : A Randomized Controlled Trial. Ann surg2020.
(4)Shiyi Gong et al: Clinical efficacy and safety of robotic distal gastrectomy for gastric cancer: a systematic review and meta-analysis Surg Endosc. 2022 May; 36(5): 2734-2748. 2022 Jan 12.
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