千葉恭司医師らによる、食塩摂取量別にサクビトリル／バルサルタンとサイアザイド利尿薬の降圧効果を比較した研究論文がHypertensionResearch誌に掲載されました

腎臓内科の千葉恭司医師、横浜市立大学医学部循環器・腎臓・高血圧内科学 の外澤真李助教、小林一雄客員准教授、涌井広道准教授、田村功一主任教授らは、ARB /ACE阻害薬とカルシウム拮抗薬併用療法下でも血圧コントロール不良である高血圧患者を対象に、サクビトリル／バルサルタン（ARNI）の降圧効果が食塩摂取量によってどのように影響を受けるかを、サイアザイド系利尿薬追加療法と比較検討しました。

その結果、サイアザイド系利尿薬と比較し、サクビトリル／バルサルタンは食塩摂取量の多い患者においても同等の降圧効果を示し、特に家庭早朝血圧の低下に優れていました。また、腎機能や糖代謝への影響も、サイアザイド利尿薬追加療法に比べより良好である可能性が示されました。

本研究成果は「HypertensionResearch」誌に発表されました（2025年11月14日電子掲載）。

論文情報

タイトル： Effects of sacubitril/valsartan according to daily salt intake and　comparison with thiazide add-on treatment in patients with　uncontrolled hypertension.

著者： Kyoji Chiba, Mari Sotozawa, Kazuo Kobayashi, Hiromichi Wakui, Keiichi Chin, Hideo Shimura, Shun Ito, Toshinao Tsuge, Hiroyuki Sakai, Takayuki Furuki, Atsushi Matsuzaki, Shinichi Nakajima, Nobukazu Takada, Hareaki Yamamoto, Hiroshi Takeda, Takamasa Iwasawa, Togo Aoyama, Masao Toyoda, Kouichi Tamura, Akira Kanamori.

DOI：https://doi.org/10.1038/s41440-025-02443-1