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「関節再建外科・人工関節センター」開設

整形外科

 

「関節再建外科・人工関節センター」開設

〇当センターについて

令和5年4月、当院整形外科に「関節再建外科・人工関節センター」を開設しましたのでお知らせいたします。

変形性関節症は、ケガの後遺症や、ご自身の持って生まれた骨の形といった個性に加え、年齢による変化が伴うことで全身の関節に引き起こされる疾患で、関節の軟骨が摩耗し骨同士がこすれてしまうことで炎症と痛みが生じるものです。国内において患者さんが多いものとしては、予備軍を含めると3000万人とされる変形性膝関節症や小児期の発育性股関節形成不全を背景とした変形性股関節症といった下肢の大きな関節に発生する変形性関節症があります。

通院や在宅において、投薬やリハビリ、注射による治療をしている患者さんでも、病状が進行すると痛みにより日常生活が制限されることがあり、そういった患者さんがよりよい生活を取り戻すための医療提供を目的に当センターを開設いたしました。

〇診療内容(膝関節・股関節)について

膝関節につきましては、整形外科副部長兼当センター長である五十嵐医師が関節温存手術から人工膝関節全置換術までを担当します。この5月からは、人工膝関節置換術支援ロボットの臨床使用も開始しており、100例以上のロボット支援人工膝関節全置換術の執刀経験を活かし、前勤務先であった大学病院と同様の治療提供体制となっています。

最近は、人工関節に代わる手術方法である関節温存手術として様々な骨切り術が世界的に行われており、これは変形性膝関節症によりO脚となった下肢の骨をまっすぐ~ややX脚気味に矯正することで、傷んだ内側の関節にかかる負担を減らすという術式です。当院の病院長である土屋医師は、この変形矯正の領域で世界的に有名な米国の医師と共に切磋琢磨しながら研究を行い,これまでの骨切り術で課題となっていた点を解決することを目的に、新たな手術方式を開発しました。この術式は、2022年に米国で開催された31thLimb Lengthening and Reconstruction Society(LLRS)でその術後成績と共に発表され、Best Paper Award - 4th Placeを受賞するなど、海外においても評価されている手術です。整形外科医の視点から見ると、関節を全て人工関節に置換する手術(人工関節全置換術)も患者さんをサポートできる選択肢の一つではありますが、一方で、ご自身の関節を残したいという希望につきましても非常に共感ができる部分です。当センターでは関節温存手術と人工関節全置換術の両方を提供できるため、それぞれの患者さんのご希望に合わせた治療方針を相談していくことが可能となっております。

また、他院で施行された人工膝関節の再置換術も多く扱ってきた経験を活かし、他院で施行された人工膝関節の術後のお悩みに対しても広く対応いたします。例えば、人工膝関節全置換術後の膝のぐらつきや痛みに関しては、インプラント設置を変更することによって解決する場合があります。術後不調の原因をレントゲンやCT、核医学検査等により明らかとし,適応と術式を見極めたうえで再置換術を行います。幅広い知識と深い経験が必要とされる同手術は難易度が高いとされていますが、そういった手術についても、再置換術が必要な患者さんを多く診療する大学病院等で重ねた担当医師の診療経験を活かし、この地域の患者さんへ当センターを通じて提供していきたいと考えております。

股関節につきましては、コンピューターやナビゲーションを駆使した人工股関節全置換術を山室医師が担当します。人工股関節の周術期合併症として問題となる脱臼を低減するためにはインプラントの正確な設置が求められます。コンピューター支援を駆使することで、実際の手術において術前計画に近い目標アライメントに落とし込み、また筋腱温存手術を行うことで脱臼抵抗性を向上することを心掛けています。また、術後早期回復に有利とされる仰臥位前側方アプローチで手術を行っており、リハビリテーション科と協力しながら、術後患者さんの自宅復帰に向けたリハビリを重視した診療を行っております。

〇さいごに

横浜市栄区唯一の総合病院である当院は、各診療科の垣根を越えて、「関節」のみならず様々なご病気をお持ちの患者さんの「全身」に対してしっかりとアプローチすることが可能です。「関節再建外科・人工関節センター」は、整形外科外来と同様に紹介制とさせていただいております。近隣の先生方におかれましては、保存加療等でお困りの患者さんがおられましたら是非お気軽にご相談いただけますと幸いです。

【担当医師】

〇膝関節担当

:五十嵐 健太郎(横浜栄共済病院整形外科副部長 兼 関節再建外科・人工関節センター長、

前金沢大学整形外科特任准教授)

〇股関節担当

:山室 裕紀(横浜栄共済病院整形外科医員)

  • 外来受付

    AM 8:30 ~ AM 11:00

    診療科により、受付時間が異なる場合がございます。
    詳しくは各診療科のご案内でご確認ください。

  • 休診日

    土曜日・日曜日・祝日

    開院記念日(7月15日に一番近い水曜日)
    年末年始(12月29日~1月3日)
    ※ 救急は24時間365日受け付けています。

  • 面会時間

    面会制限中