国家公務員共済組合連合会 横浜栄共済病院|栄区唯一の救急医療機関|地域医療を新たなステージに高める

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がん診療・サポート体制

手術(外科治療)

がん組織をメスで切除し、根治を目指すもっとも基本的な治療法です。通常は、周囲の組織やリンパ節を含めて切除します。早期がんだけでなく、進行がんでも切除可能な状態であれば手術を選択します。

90年代までのがんにおける手術といえば、大きく切り、たくさんの臓器を取る治療が中心でしたが、近年は技術、機器の進歩に伴い、内視鏡下手術が広く行われるようになりました。
内視鏡下手術は、小さく開けた複数の孔にカメラと手術器具を挿入し、体内を映したモニターを確認しながら行う手術です。身体負担が少なく、当院でも多くの手術で標準化され、良好な治療成績が得られています。
最近では、最新の3D内視鏡システムを導入し、立体画像下での手術が可能となりました。これにより安全性や精度の向上、手術時間の短縮など、患者さんによりやさしい手術が実現できます 。
当院では、内視鏡下手術・内視鏡補助下手術も含め、患者さん個々の症例において確実、かつ安全で最良な方法を選択しております。

ロボット支援手術

近年、がんの手術に対して適応が広がっている手術支援ロボットを当院でも導入し、2024年度より稼動を開始いたしました。近隣地域(栄区・港南区・戸塚区)においては初めての導入となります。 ロボット支援手術では合併症リスクも少ないとの報告も多く、手術の確実性、安全性向上および低侵襲を実現し、患者さんの不安と負担軽減を目指します。 対象疾患は、胃がん、直腸がん、前立腺がんとなりますが、今後も多くの疾患を対象とできるよう、務めていきます。

骨軟部腫瘍治療への取り組み

当院では、整形外科分野を強化し、2023年度より「骨軟部腫瘍外科外来」を開設しました。希少がんである骨軟部腫瘍への治療は非常に専門性の高い分野ですが、当院では診断のみならず手術加療まで広く診療を行うことができます。 手術療法においては、腫瘍とともに切除した骨を一塊として液体窒素の中で処理し、腫瘍細胞を死滅させたうえで再び体に戻して骨欠損部を再建する「液体窒素処理骨移植術」が当院病院長である土屋医師により考案され、2020年4月から処理骨自家骨移植のひとつとして保険承認されました。当院でも適応のある患者さんについては当術式で手術を行うことが可能です。



内視鏡治療

内視鏡の画像を見ながらカメラの先端に格納された器具でがん組織を切除する治療法で、手術よりも負担が少ないのが特徴です。

近年の内視鏡技術の進歩は目覚ましく、リンパ節転移のない一定の深達度にとどまる早期がんは臓器や大きさに関わらず内視鏡治療のみで根治が期待できるようになりました。
当院でも、消化管(食道・胃・大腸)の早期がん対する内視鏡的粘膜下層 剥離術(ESD)に力をいれています。内視鏡室はリニューアルされ、また、日本で有数の症例数がある病院でESDに携わってきた専門医・指導医が複数在籍し、充実の設備・診療体制となっています。
治療においては"質"を重視し、画像強調観察や色素撒布観察、超音波内視鏡(EUS)を用いて精度の高い術前診断を行い、適切な治療方針決定を心がけています。また、従来は治療困難とされていた部位や病変に対しても、牽引法や切除方法の工夫を積極的に取り入れ、確実な切除と安全性の向上を目指しています。

抗がん薬治療(化学療法)

抗がん薬の投与によってがん細胞を破壊したり、増殖を抑えたりする治療法です。抗がん薬治療は、広範囲に転移しているがんや手術適応外のがんに対する治療だけでなく、術前・術後の補助療法としても行われます。

近年は、新規薬剤の開発、副作用を抑える支持療法の発達により、固形がんに対する抗がん薬治療は外来治療が一般的となりました。
当院では、治療の進化・複雑化に対応し、患者さんがより安心かつ快適に治療が受けられるように、2016年に化学療法室(15床)を新しくしました。リクライニングチェアを設置し、ゆとりある空間作りに配慮しています。
化学療法室には、がん薬物療法の認定薬剤師と認定看護師が在籍し、安全・適切な調製および投与管理等を行っています。

また、副作用ケアに関しては、治療による吐き気や体調不良等の身体症状ケアだけでなく、近年重視されている、外見の変化に対するケア(アピアランスケア)にも対応しています。
爪障害に対しては、フローズングローブによる冷却を実施しています。さらに、脱毛に対しては、頭皮冷却装置(写真/別途費用)を活用し、脱毛量を抑えたり、生え替わりを促進する効果を期待して取り組んでいます。

化学療法資料

化学療法室の待合には、化学療法に関連した資料・パンフレット類、ウィッグ等の見本を設置しています。 化学療法を受ける方のみご利用いただけます。




放射線治療

放射線治療は、がん病巣部に高いエネルギーを持つ放射線を照射してがん細胞を破壊し、がんを消滅させたり小さくしたりする治療法です。

当院では、高精度放射線治療機器(Elekta社製リニアック)を導入し、放射線治療専門医、専門資格を持つ放射線技師を中心とした専門チームによる高品質な放射線治療を提供しています。治療は、臨床各科と密接に連携しながら、個々の患者さんに適した高精度放射線治療を選択します。通常の3次元原体照射(3DCRT)から定位照射(SRT)、強度変調照射(IMRT)が可能です。

2021年5月からは装置を回転しながら強度変調照射を行うVMATが可能になりました。一度固定して多方面から照射するIMRTより照射時間が短縮され、患者さんの負担も少なくなります。

また、当院ではIMRT/VMATやSRTにはもちろん、緩和照射に対しても画像誘導(IGRT:画像情報を用いて位置合わせを行う技術)を行い、副作用を軽減しつつ、より効果的な治療を目指しています。

緩和ケア

緩和ケアとは、がんによるさまざまな症状や苦痛をやわらげ、自分らしい生活を送れるようにするためのケアです。
当院では、主治医をはじめ、緩和ケア担当医・緩和ケア認定看護師・薬剤師・栄養士といったメンバーによる「緩和ケアチーム」が活動し、より質の高い緩和ケアに取り組んでいます。

痛みやだるさといった身体的なつらさだけでなく、これからの不安や心配など、心のつらさも軽減し、がん患者さんとご家族のQOL(人生の質・生活の質)の向上を目指した意思決定支援を行っています。また、患者さんひとりひとりに寄り添った最善のサポートのために、チームによるカンファレンスを毎週実施しています。
緩和ケアはがんの状態や治療時期に関係なく、がんと診断された時からはじまります。がんの治療とともにつらさを感じるときにはいつでもサポートを受けることができます。

緩和ケアを受けるには

入院中・外来通院中に限らず緩和ケアを希望される場合は、主治医までお申し出ください。外来では、緩和ケア外来および緩和ケア看護外来も設置されています。また、がん相談支援センターで相談も受付けています。

遺伝治療

がんゲノム

ゲノムとは、遺伝子をはじめとした遺伝情報の全体を意味し、ゲノムは体をつくるための設計図のようなもので、一人一人異なっています。がんは遺伝子の一部に異常を起こした細胞が無秩序に増えることによって起こる病気です。 がんゲノム医療では、主にがんの組織を使って多数の遺伝子を同時に調べる「がん遺伝子パネル検査」によって遺伝子を解析し、がんの性質を明らかにすることや、患者さんの体質や症状に合わせて適切な薬剤や治療を見出すことを目的としています。 がん遺伝子パネル検査は、誰しもが受けられるわけではありません。保険診療では、①標準治療がない固形がん、②局所進行もしくは転移があり、標準治療が終了した(終了見込みを含む)固形がんの人で、次の新たな薬物療法を希望する場合に検討されます。また、全身状態などの条件もあります。 がん遺伝子パネル検査は、「がんゲノム医療中核拠点病院」「がんゲノム医療拠点病院」「がんゲノム医療連携病院」などで行われています。がんゲノム医療を受けたい場合は適切な機関に紹介いたします。

遺伝性腫瘍

多くのがんは生まれてから後に生じた遺伝子の異常が原因ですが、生まれながらにがんの発症と関係する遺伝子の変化を持つことによって起こる遺伝性のがん(遺伝性腫瘍)があります。 人の体には多くの遺伝子がありますが、その中にがんの発症に関わっている遺伝子もあり、どの遺伝子に生まれつきの変化があるかによって発症しやすいがんや発症率は異なります。遺伝子の変化がある人すべてががんを発症するわけではありません。 遺伝性腫瘍によっては、関連する遺伝子の変化を持っているかどうかは遺伝子検査によって調べることができ、遺伝性腫瘍と診断された場合は、遺伝子の特性に応じて行う定期的な検査やリスク予防的な治療を実施していくことによって、がんの予防や早期発見につなげることができます。また、血縁者にも関わる情報となりえます。

遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)

HBOCは「遺伝性のがん」の種類のひとつです。BRCA1遺伝子あるいはBRCA2遺伝子に変化(専門用語で病的バリアントと言います)を持っていることをHBOCと言い、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、膵臓がんなどの発症リスクが高いことが分かっています。がんの既往歴に関わらず、一般的に200~500人に1人がHBOCに該当すると言われています。

遺伝外来

当院では、「遺伝外来」を2024年4月から開設しました。遺伝外来では、遺伝性乳がん、卵巣がん(HBOC)等の遺伝カウンセリングや遺伝子検査等を行います。
●時間:月曜日(9:00~11:00)
●対象:HBOCの疑いのある患者さんまたはHBOCの診断がついている患者さん
(現在は、当院乳腺外科におかかりの患者さんのみ対応しています。)
●臨床遺伝専門医・がん看護専門看護師
遺伝外来の受診を希望される場合は、乳腺外科医師にお申し出ください。

AYA世代・妊孕性温存

AYA世代とがん

AYA世代とは、Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の頭文字をとったもので、主に思春期(15歳~)から30歳代までの世代を指しています。このようなAYA世代のがんは、成人のがんに比べて情報が少なく、この時期にがんと診断されると不安も大きく、心身にさまざまな影響を受けることがあります。
AYA世代には、子どもから大人への移行期も含まれるため、小児で発症することの多いがんと成人で発症することが多いがんの両種類が存在します。
15~19歳で発症することの多いがんは、小児期と同じように、白血病、生殖細胞から発生する胚細胞腫瘍・性腺腫瘍、リンパ腫、脳腫瘍、骨腫瘍などです。20~29歳では、胚細胞腫瘍・性腺腫瘍、甲状腺がんが白血病より多く、30~39歳では、女性乳がん、子宮頚がん、大腸がん、胃がん等、成人に多いがんが増えます。(国立がん研究センターがん情報より)

好孕性温存療法

妊孕性(にんようせい)とは、妊娠するために必要な能力(臓器と機能)のことです。女性では、子宮や卵巣が、男性では精巣があげられます。
妊娠に関わる臓器にがんができて、手術をはじめ抗がん薬や放射線治療などの治療を行うと、生殖機能がダメージを受けて妊娠するための力が低下したり、失われることがあります。そのため、以前より妊孕性を温存するための取り組みがなされてきましたが、近年では、卵子や精子、受精卵を凍結保存する方法も利用可能となりました。
がんの治療を優先することはもちろんですが、将来子どもをもつことを望むのか、可能性を残しておくのか、パートナーや家族と話し合うことが大切です。妊孕性温存について気になることがある場合は担当医にご相談ください。妊孕性温存療法を希望される場合は、生殖医療を専門とする機関に紹介いたします。
また、当院の「がん相談支援センター」でも、AYA世代のがんや妊孕性に関する資料を設置し、さまざまな相談を受け付けています。ぜひご利用ください。

がん相談支援センター(A棟1階)

がん患者さんへのサポートをより充実させるため、A棟1階にがん相談支援センターを新しく開設しました。
がん相談支援センターでは、当院におかかりのがん患者さん、およびご家族のための情報提供やがん相談を行っています。

がん相談支援センターオープン時間

平日 9:30~16:30(火曜日のみ14:30まで)

※上記時間帯はご自由に出入りしていただけます(面談等で使用する場合もございます)。

がん情報・資料

がんの治療方法や療養方法などの情報を得て、理解することは治療の第一歩となります。がん相談支援センターでは、患者さんがご自身のがんを知るためのサポートとして、がんに関連するさまざまな資料を設置し、動画の視聴もできます。また、患者さんが利用できるインターネット端末を設置しており、さまざまな情報を検索することができます。

※化学療法に関連した資料・パンフレット類、ウィッグ等の見本はB棟2階化学療法室に設置しています(化学療法を受ける方のみご利用いただけます)。
※当院が連携している地域医療機関情報は、院内デジタル掲示板や患者サポートセンターにてご案内しています。

(参考外部サイト)
国立がん研究センター がん情報サービス

神奈川県 かながわのがん対策

がん相談

がん患者さんおよびご家族のための相談を承っています。下記時間帯に直接がん相談支援センターまでお越しください。

        • 時間:金曜日 14:00~15:30(1回30分程度)
        • 対象:当院におかかりのがん患者さんおよびそのご家族
        • 担当:がん看護専門看護師他


退院支援・地域連携

入院によるがんの急性期治療が終了したあとは、自宅での在宅療養、地域の療養型病院への転院、介護保険施設への入所等を検討することになります。

当院では入院早期より患者さんを全人的に捉え、退院困難な要因の把握を行い、必要に応じて病棟スタッフが中心となって医療ソーシャルワーカーや退院支援看護師など多職種スタッフと協力しております。そして、「意思決定支援なき退院支援は行わない」ことを礎とし、日々患者さんやご家族の希望に沿った療養環境を共に考えております。
また、院内における多職種連携にとどまらず、関係機関との退院前合同カンファレンスを実施。さらに、近隣地域の訪問看護ステーションと定期的に会議を開催し、施設の垣根を超えた関係性を築きながら、退院前訪問や退院後訪問、専門看護師や認定看護師の同行訪問など、患者さんやご家族が安心安全に過ごしていけるように情報共有しております 。

がんサロン

がん患者さん同士の交流会"がんサロン"を開設しています。自身の体験や不安を語り合ったり、情報交換をする場です。また、療養に関する勉強会や楽しいイベント等も開催しています。 ひとりで抱え込まず、お話してみませんか?
参加お待ちしております。

2024年度がんサロン予定

こもれびサロン

対象:当院でがんの治療をしている(する予定)患者さんとそのご家族

こもれびサロン 時間:14時~15時 場所:A棟1階患者サポートセンター②
2024年 6月20日(木)テーマ:放射線治療
9月19日(木)テーマ:緩和ケア
2025年 3月13日(木)テーマ:社会福祉
クリスマス会 時間:未定 場所:未定
2024年 12月予定
プチサロン

対象:当院で乳がんの治療をしている患者さん

プチサロン 時間:14時~15時 場所:C棟1階第1会議室
2024年 7月10日(水)テーマ:栄養
10月16日(水)テーマ:アピアランスケア
2025年 2月19日(水)テーマ:リハビリ/リンパ浮腫
がんサロンへの参加について

2024年度のがんサロンは事前申込み不要です。
直接会場にお越しください。
また、がんサロンに安心して参加いただくために、下記「がんサロンのルールとお願い」をご確認、同意の上ご参加ください。

がんサロンのルールとお願い

  • 特定の治療方法の普及を目的としません。
  • 物品の販売や宣伝活動、特定の宗教の勧誘、政治活動は禁止です。
  • 参加者のプライバシーを守りましょう。参加者同士の個人情報のやりとりは、原則禁止です。
  • 個人の価値観や生き方を尊重し、批判的な発言はしないようにしてください。
  • 話したくない事を無理に話す必要はありません。
  • ストレッチや体操等を行う際は、体調に応じて無理なくご参加ください。
  • 録音、録画、SNSへの投稿等はご遠慮ください。
  • 誰もが安心して話せる環境づくりにご協力ください。

院内がん登録

病院でがんと診断、治療した患者さんのがんについての情報を病院全体で集め、がん治療内容や転帰(最終的にどうなった)等を、診療がどのように行われているか登録をしています。この情報は、「院内がん登録の実施に係わる指針(厚労省告示第470号)」に則り、国立がん研究センターに情報提供しています。

2022年度統計(904KB)

2021年度統計(901KB)

〒247-8581
神奈川県横浜市栄区桂町132番地

045-891-2171(代表)
受付時間

AM 8:30 ~ AM 11:00

診療科により、受付時間が異なる場合がございます。
詳しくは各診療科のご案内でご確認ください。

休診日

土曜日・日曜日・祝日

開院記念日(7月15日に一番近い水曜日)
年末年始(12月29日~1月3日)
※ 救急は24時間365日受け付けています。

面会時間

面会制限中

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  • 外来受付

    AM 8:30 ~ AM 11:00

    診療科により、受付時間が異なる場合がございます。
    詳しくは各診療科のご案内でご確認ください。

  • 休診日

    土曜日・日曜日・祝日

    開院記念日(7月15日に一番近い水曜日)
    年末年始(12月29日~1月3日)
    ※ 救急は24時間365日受け付けています。

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    面会制限中